
⑨亜鉛:15mg~30mg/日
亜鉛は皮膚にとって非常に大切なミネラルです。多くのキーとなる酵素が生産されるには亜鉛は不可欠で、前立腺に問題のある人や糖尿病患者さんには必須ですが、こと皮膚に関してはコラーゲンの再生に重要な役割を果たします。
アトピーで傷ついた皮膚は、新しい皮膚に置き換わらなければいけません。またアトピーの人はヘルペスや水イボといったウイルス性の皮膚病にかかりやすのですが、亜鉛はそういったウイルスに対する免疫力を強化してくれます。
また亜鉛はメタロチオネインというタンパク質を誘導し、それは重金属と結合し、特にカドミウムの毒性を軽減する作用があります。
亜鉛を摂取するときに一番問題となるのは、亜鉛だけを摂った場合、銅の相対的不足がおこることがあるということです。これは前述したビオチンとα-リポ酸と同じ関係です。したがって、亜鉛15に対し銅1の割合で、常に銅も補っておかねばなりません。
サプリメントを購入するとき、ラベルに注意して、銅がその割合で入っているものを探してください。亜鉛を処方してくれる病院はありますが、健康保険の適用外です。
しかし、インターネットで簡単に入手できますし、最近はコンビにでも売っています。安価ですので是非、補ってほしいミネラルです。
その際、Zinc Monomethionate か、Zinc Picolinateの形が吸収率が高いので、それらを選んでください(Zincは英語で亜鉛という意味です)。
⑩セレン:50μg~150μg/日
この微量元素は最近ようやく知られてきましたが、抗酸化サプリメントの一つとして、なくてはならないものです。体内でグルタチオン・ペルオキシダーゼという強力な抗酸化力をもつ酵素の生合成に、セレンが必須なのです。
また、ビタミンEと相乗的に働きます。最近、やっとこのミネラルの重要性が日本でも理解されるようになり、亜鉛、クロム、マンガン、モリブデン、ヨウ素といったミネラルに的をしぼったサプリメントが、普通の薬局どころか、コンビニにも現れるようになりました。
しかし、特にセレンの含有量に注意して下さい。日に最低50μgは摂れる製品を選んでください。
⑪腸溶性ラクトフェリン:200mg~800mg/日
ラクトフェリンとは母乳の中にごくわずかに含まれる赤い色をしたタンパク質です。初乳が最も多く含有しています。
もう60年以上も前に発見されていたのですが、その重要性に気づかれ、健康増進のために盛んに摂られるようになったのはつい最近です。赤い色は鉄イオンと結合しているためです。
生まれたての無防備な赤ちゃんのための物質ですから、非常に多彩な作用を示します。まず、免疫系の調節、抗ウイルスおよび抗細菌作用、抗酸化作用、抗炎症作用、最近はがん発生および転移の抑制作用も確かめられています。
生まれたばかりの赤ちゃんにとって、体の中に取り込まれてくる物質は、成長に欠かせないタンパク質であっても、すべてが新しく、異物ばかりです。それらのタンパク質に対し、ひとつずつアレルギー反応をおこしていては、生きていけません。
ある程度は免疫寛容の状態が存在しなくてはいけないのです。ラクトフェリンはその調節に非常に有効に働くのです。したがって、免疫系の異常が影響しているタイプのアトピーには大切です。
また、赤ちゃんが母乳を与えられたあと、すやすやと眠ることからおわかりになるように、ラクトフェリンには脳にも優しく働きかけ、鎮静作用をもたらします。エンドルフィンを増加させるからです。
アトピー患者さんには心の問題をかかえている人がかなりおられます。問題というほど深刻でなくとも、精神的ストレスが大きいのは事実です。ラクトフェリンは、それを和らげてくれます。
肉体のストレスというものは若い人であれば、一晩寝れば回復するものですが、精神的ストレスはなかなか取れません。どんな病気でも、何が一番悪影響をおよぼすかといえば、精神的ストレスです。
その対策にラクトフェリンは非常に効果があります。抗うつ剤や精神安定剤をのむ前に、まず「腸溶性ラクトフェリン」を試してみるべきです。
また、腸の悪玉菌から鉄分を奪い、その増殖を抑制し、善玉菌腸内細菌を増やし、腸を整えてくれます。後述の腸内細菌と同時に摂ると効果は倍増します。
ラクトフェリンを摂るにあたって肝心なことは、ラクトフェリンが胃や十二指腸で分解されず、小腸まで無事に届くかどうかということです。そうでなければ、意味がありません。
その問題を解決しているラクトフェリンのサプリメントは、ぼくが知る限りでは、最近、開発された腸溶性のラクトフェリンだけです。
蚕のシェラックと呼ばれる分泌物でコーティングを施し、胃酸で分解されずに腸に届いてから吸収されるように工夫されています。このタイプのラクトフェリンでしか、事実上役に立たないのです。
ただ値段が高いのが欠点です。単なるラクトフェリンなら安いものはいくらでも出回っていますが、それらは腸に達するまでに分解され何の役にも立ちません。
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