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タレジュのオイル

7つのエッセンシャルオイル(精油)がプレンドされたネパール伝承の健康の知恵

カトマンズ
カトマンズのダルバール広場・シヴァ寺院

 素晴らしい発見は、いつも偶然から始まるようです。今から紹介するネパール産のオイルもその一つでしょう。

 ことの始まりは、2014年12月21日です。カトマンズから東南約400km、バスで8時間のところにあるダランという町から、弱冠25才のカマル君が私たちのクリニックにやってきたのです。彼は私たちのところで働きながら日本語を勉強する予定です。ビジネスマネージメントの修士号をもっている、非常に優秀な好青年です。

 その彼が、小瓶に入れたミントの香りが強いオイルをもって来ました。 かなり、強烈なにおいです。これは、ネパールでは、多くの人たちが、家庭の常備薬のようにして使ってきたものです。彼も小さいときから、このオイルにずいぶん世話になったようです。 日本という慣れない異国の地で病気にならないようにと持参したのです。

 風邪、喘息、関節痛、捻挫、頭痛、肩こり、腹痛、歯痛、生理痛、発熱、搔痒ーー 何にでも効く、と言われると、ガマの油のようになってしまいそうで、眉に唾をつけたくなるのが、「エビデンス」にこだわる現代の医者です。私も科学者のはしくれですから、いちおうは、効能を疑いました。しかし、その成分を見ると、かなりしっかりしている。7つのエッセンシャル・オイルの組み合わせです。あとで説明しますが、なかなかうまく配合されています。アーユルヴェーダ医学、漢方医学、チベット医学、 それにネパールの民間療法をミックスしてできたようなオイルです。地理的にみても、そうであるはずです。なんせ、ネパールは南はインド、北はチベット、北東は中国に接しているわけですから。これは、凄いオイルだという直観がありました。

 そこで、そのオイルをつくっている会社を訪れることにしたのです。ベトナムの厚生省付属の栄養学研究所に1月の2週目から訪問することになっていましたので、年初めの1週目をネパールで過ごし、そのあとカトマンズからハノイに行くことにしました。
 12月31日、部屋の大掃除をしたあと、日本を飛び立ち、翌日の1月1日にカトマンズに着きました。その時点では、まさか、ネパールに地震がおこることなど、夢にも思っていませんでした。写真にあるように、カトマンズ、パタン、バクタブルは、シックな薄茶色の古色に彩られていました。キアヌ・リーブス主演の映画「リトル・ブッダ」の舞台になったほど、パタンやバクタブルは素晴らしい古都です。これからも、未来永劫にわたって、その優雅なたたずまいを続けるはずだったのです。しかし、今はほとんどが崩壊し、復興まで数十年かかる見通しです。胸が痛くなります。

タレジュの鐘
バクタプルのタレジュの鐘(人物は小生)
バクタブルのストゥーパ
バクタブルのストゥーパ
パタン
パタンの寺院風景
パタン ドゥンゲ・ダーラ(共同水場)
パタンのドゥンゲ・ダーラ(共同水場)

 初春の三が日を観光に費やし、ハノイに飛ぶ前日に、そのオイルを販売しているカトマンズ市内の会社に行きました。
 対応してくださったのは、ヨンゾンさんという中年の女性です。数年前、筑波大学に留学されていたので、日本人と会えて非常に嬉しいと喜んでくださいました。彼女の専門は、DHA(ドコサヘキサエン酸)などの不飽和脂肪酸で、ここでの仕事は品質管理です。この会社は国営で、ネパールで生産されるさまざま薬草からつくられるサプリメントのクオリティーをチェックしています。地方に契約農家をもち、そこで原料を生産させ、オイルを精製させ、最後にこの会社が品質が確かなものになるように標準化するという流れで、市場に出荷されるようです。

レモングラス畑
広大なレモングラス畑

 カマル君がもってきたオイルのことを話すと、それは30年以上つくり続けられており、全国の25のデストリビューターを通じて毎年300万ボトル以上が販売されているとのことです。ネパールの人口は約2700万人ですから、9人に一人が毎年消費していることになります。これは、たいへんな数字で、普通、ネパールの家族は大家族ですから、一家に一つの常備薬とまで言えるでしょう。もっとも、医薬品ではありませんから、常備薬と言うのは間違いで、常備サプリメントと言ったほうが良いのかもしれません。しかし、後ほど、並の医薬品以上であることがわかったのです。ひょっとすると、現在出回っている、数多くの医薬品のあり方を根底から覆すようなオイルなのです。それは、私自身の身に起こりました。

 カトマンズ4泊、ハノイ4泊、ホーチミン1泊、機内泊が3回という、けっこうハードな旅のせいか、途中、咳が出だしました。カトマンズの2日目ごろから始まり、徐々にひどくなったものの、熱なし、痰なし、ふしぶしの痛みなし、下痢なし、食欲旺盛、軽い旅の疲れ以外なし。咳以外、まったく異常なしなのです。しかし、ホーチミンから帰国するころには、かなり咳き込むようになりました。それでも、二、三日で治るだろうとたかをくくっていました。しかし、日増しに咳はひどくなる一方です。ひと言しゃべりだすと、咳が続き、うまくしゃべれないほどひどくなりました。そこで、近くの総合病院に行き、CTを撮ってもらいましたが、異常なし。旅の途中で、細菌やウイルスに感染したことも考えられますが、それよりも、おそらく、めったにしない大掃除を年末にやったときに、大量にカビを吸い込んだのではないだろうかということで、抗真菌薬イトラコナゾール「イトラート」と鎮咳薬デキストロメトルファン「メジコン」が処方されました。それらを10日服用しましたが、ぜんぜん治る気配がありません。痰くらい出れば良いのですが、それも出ないで、ひたすら咳のみなので再受診。やはり、原因不明。もっとも、呼吸器専門の先生いわく、咳の4割~5割は原因不明ということですが。

 そこで、あのオイルです。薬効を試すに、絶好のチャンスです。そのままでは、きつすぎて飲めませんので、コップ半分の水に、2~3滴垂らし、かき混ぜて、グイッと一息で飲みました。何と、翌朝、痰が出始めたのです!! もっとも、皮肉な見方をすれば、抗真菌薬がそろそろ効きだして、痰が出始めたのだろうということになりますが、私の直観としては、これは、やはりオイルのおかげです。イトラートとメジコンをのんでいるときは、効いているという感触がまったくなかったのです。朝と晩。日に2回、2~3滴ずつ。一週間で6割は改善しました。しかし、まだ完全ではない。

 そこで、呼吸器の問題ですから、ネブライザーで吸入することにしました。私のクリニックは耳鼻咽喉科でないので、ネブライザーは置いていません。Amazon.comで、「ネブライザー」と検索して、パナソニックの ポケット 吸入器 ホワイトEW-KA 30を見つけました。送料込みで2770円。安い(!)ということで、早速、取り寄せ、吸入を開始。鼻をつまみ、口をあけて、シューと口腔内に噴霧し、口呼吸で、気管、気管支、肺に吸い込む。これを朝・晩、2週間続ける。ついに、100%治癒。

 いまだにGDPが日本の250分の1しかない、貧しいネパールの人たちの健康に貢献する療法は、並ではありえません。安く、しかも確実に効果をあげ、副作用など皆無でなければいけません。これこそ、私が求め続けてきた治療です。彼らは、パナソニックのネブライザーなどは、もとより使えません。上級国家公務員の月給がせいぜい2万円、洗濯女の月給(日給でなく月給)が5百円(ネパールには洗濯器がほとんどない)ですから、ネブライザーは高すぎるのです。したがって、薄めて飲むか、お湯に垂らして蒸気を吸うか、あるいは頭痛のときなど、こめかみに塗り、肩こりや筋肉痛には、その箇所に塗るということです。

 つまり、この素晴らしいオイルをネブライザーで肺に直接送りこむなど、誰もやったことがない。言い換えれば、このオイルを肺の奥深く送り込めば、結核さえ治るかもしれない。結核はいまだに深刻な病気です。開発途上国のみならず、日本でも、最近、ひそやかに結核は蔓延しだす傾向があるのです。しかし、これで結核が治るなら、どれだけ素晴らしいことか!!
 それに、今いちばん問題になっているのが、多剤耐性結核菌の出現です。リファンピシンとイソニアジドが結核の標準療法に使用される抗結核薬ですが、これらに耐性をもつ結核菌が出現してきたのです。このタイプの結核に罹患すると、外科療法も含めて、治癒率が50%となります。さらに、多剤耐性結核菌も上回る、超多剤耐性結核菌もでてきました。これは、化学療法はほとんど不可能で、治癒率は30%となります。
 こうなると、耐性菌の出現と抗結核薬の開発との、いたちごっこになってしまい、いくら新薬をつくっても、追いつけないのです。したがって、このへんで大きく発想を転換して、まったく違った方法で結核と対処しなければいけません。おそらく、このオイルがブレイクスルーになるでしょう。

 WHOの統計によると、2012年、ネパールの結核罹患率は10万人に対して163人です。これは、日本の5人と比べれば30倍以上の数字ですが、同じ年、ミャンマーは381人です。そして、一人当たりの名目GDP(USドル)は、ネパールが686 ドル、ミャンマーが1103ドルです。つまり、非常に乱暴な言い方をすると、生活水準はミャンマーの方が2倍近くネパールより高いのに、結核はネパールの方が2倍以上に少ないということです。

 さらに比較をすすめると、韓国は、結核罹患率はちょうど100人で、一人当たりの名目GDPが24453ドル。つまり、ネパールの生活水準は韓国の4分の1程度なのに、結核罹患率は1.6倍程度なのです。4倍どころか2倍にもならないわけです。もとより、一人当たりの名目GDPと、結核罹患率は決して反比例するとは考えられませんが、それにしても、「貧しい割には、ネパールには結核が少ない」と言えるのではないでしょうか。おそらく、それは、咳がでだすと、このオイルをすぐにお湯に垂らして蒸気を吸い、結核菌であろうがインフルエンザウイルスであろうが、殺してしまうからかもしれません。

成分は下記です。

以上のオイルの薬効をそれぞれについて、簡単に列挙します。いずれも、昔からアロマセラピーによく使われるオイル類ですから、すべての効果は実証ずみです。

①ミントオイル

ミントオイル

抗ウイルス作用:例えば、単純ヘルペスⅠ型やⅡ型ウイルスは、ミントオイルによって、3時間で、細胞への侵入能力が奪われます。
抗バクテリア作用:グラム陽性菌(クロストリジウム、ブドウ球菌、レンサ球菌など)、グラム陰性菌(エンテロバクター、クレブシェラ、プロテウス、シュードモナス)に対し抗菌作用があります。
抗炎症作用:アラキドン酸の代謝をコントロールすることによって抗炎症作用を発揮します。また、特にミントオイルの主要成分であるメンソールは炎症作用のあるプロスタグランディンEのサブセット2を抑制することによっても、抗炎症作用を行います。したがって、気管支喘息、大腸炎、アレルギー性鼻炎などに、効果があります。
過敏性腸症候群:4週間のミントオイルの摂取で症状の50%は改善されます。TRPM8という抗疼痛の経路を介して疼痛を伝達する線維をブロックしてくれます。
その他、まだ決定的なエビデンスは整っていないものの、皮膚の搔痒、つわり、歯痛、結核にも効果があるとされています。

②ユーカリオイル

ユーカリオイル

種類によって違いますが、150以上の成分が含まれています。代表的なのが、ユーカリプトール、α-ピネン、リモネンの三つです。
ユーカリプトール(別名:シネオール) 昔から、鼻づまりや咳によく使われてきました。これも強い抗炎症作用を示し、TNF-α(腫瘍壊死因子α)の生産を抑制します。経口的に摂るよりも、吸い込んだ方が、血流によく入ります。
α-ピネン 自然界で最も多く存在するモノテルペン(多くの植物の精油の主成分)です。少量で気管支拡張作用があります。この油性成分も呼吸により吸収すると、強い生物学的活性を示します。広いスペクトルで、抗菌作用があります。また、アセチルコリンエステラーゼの抑制作用がありますから、記憶を助けてくれます。
リモネン ネズミの実験によると、前頭前皮質のセロトニンと海馬のドーパミンを増やし、抗不安作用が認められています。乳癌の癌細胞のアポプトーシス作用があります。

③カンファーオイル

カンファーオイル

カンファーとは樟脳(しょうのう)のことです。昔、大切な着物などをタンスにしまうときに、よく使われました。樟(クスノキ)の香り成分です。現在、日本で使われている樟脳は化学合成されたものが多いのですが、このネパールのカンファーは、当然、天然のものです。殺菌作用、鎮痛作用、止痒性作用(痒み止めの作用)、刺激抑制作用などがあり、このオイルも昔からよく使われてきました。 ヒスタミンH1受容体とムスカリンM3受容体を介する気管支収縮を軽減し、咳を止めてくれます(この作用で、私の咳も止まったのでしょう!!)。実験用のテンジクネズミでは、500μg/Lで33%も咳が軽減されています。(私の場合は100%!! 医者自らが人体実験をしたわけですから、これほど確かなことはありません)。また、感覚神経の興奮と脱感作によって鎮痛作用もひきおこします。 カンファーオイルの止痒作用は、脊髄後根神経節にあるTRPV1(カプサイシン受容体の一つ)を活性化することに関係しています。この作用を利用して、私のクリニックでつくる軟膏の一部には樟脳が少し入っています。
また、キノン様の抗細菌作用もあり、大腸菌の繁殖を抑制します。

④サンショオイル

サンショオイル

サンショオールとサンショアミド。ゲラニオールなどの芳香精油、ジペンテン、シトラールなどが含まれています。特に腸を温める薬効があり、冷えからくる下痢、腹痛などに効果があり、昔から、一種の民間療法として愛用されてきました。また、肝庇護の作用もあります。
それに、ミクロコッカス・ルテウス、ビリダンス連鎖球菌に対する抗菌作用。
腎臓と肝臓におけるマロンジアルデヒドの活性を低下させることによってグルタチオンのレベルを高めてくれます。

⑤ウィンターグリーンオイル

ウィンターグリーンオイル

精油成分の97%がサリチル酸メチルで、これはアスピリンと非常に似た構造をしています。したがって、作用も似ています。(ですから、アスピリンをのんでいる人は、注意してください。このオイルをお摂りになる場合、アスピリンはお摂りにならないほうが無難です)。筋肉痛や関節痛によく使われます。食物中に含まれる大腸菌、また緑膿菌の繁殖を防ぎ、真菌にも抑制効果が認められています。免疫の非常に落ちた患者がかかるカンジダ・アルビカンスによる日和見感染にも効果があります。

⑥レモングラスオイル

レモングラスオイル

精油成分の70%以上がα-シトラールとβ-シトラールで構成され、これらはレモンやオレンジにも含まれています。これらは枯草菌、大腸菌、黄色ブドウ球菌に抗菌作用を示します。また、皮膚糸状菌(毛瘡白癬菌、紅色白癬菌、有毛表皮糸状菌、石膏状小胞子菌など)にも有効です。それに、好角質性の白癬菌も抑制します。赤痢アメ−バにも非常に効果があります。
1-メチル-3-ニトロソ尿素(MNU:この物質は癌の成育を促します)を抑制し、少なくともネズミに関しては乳癌の癌細胞のアポプトーシスを促します。

⑦シナモン葉オイル

シナモン葉オイル

精油成分の90%以上がオイゲノールで、プロスタグランディンの活性化を抑制し、ひいては抗炎症作用があります。また、抗ウイルス、抗バクテリアの作用も認められています。プロテウス属、エンテロコッカス属の細菌、レンサ球菌、ブドウ球菌、クレブシエラ属、そしてカンジダ菌にも効果があります。
シナモンアルデヒドは真菌の生育を完全に阻止します。また、炎症性疾患において、組織での一酸化窒素の生成を抑制します。
インスリン抵抗性改善作用もあり、糖尿病患者にはシナモンティーがよくすすめられます。
また、血管新生阻止作用、抗増殖作用、免疫調節などのために、抗癌作用も認められています。

以上からおわかりのように、このオイルの基本的作用は抗ウイルス、抗細菌、抗真菌、抗炎症となります。すべて病気の根源には、「病原菌」と「炎症」( http://www.drmakise.com/SupplementBible/4.cfm )が存在しますから、一種の万能薬とまで言って良いかもしれません。このオイルの素晴らしい薬効に敬意を表して、私は、「タレジュのオイル」と呼ぶことにしたのです。タレジュとは、ネパールの美と健康の女神のことです。

 ちょうど、このページの原稿を書いている最中に、「ネパールの地震」のニュースが入ってきました。最初は数百人だった犠牲者の数が、日増しに増え、おそらく1万人を超えるのではないかと危惧されます。大阪の私のクリニックにはカマル君を含めて2人、沖縄の研究所にも2人のネパール人が働いており、すぐにネパールに連絡をとらせたところ、幸い彼らの家族は全員無事であるということでした。しかし、ヨンゾンさんからは、安否をたずねるメールをこちらから送ったにもかかわらず、返信がきません。単にインターネットがつながらないだけのことであってほしいのですが。
 もし、私が年末・年始にネパールに行かなかったら、この「タレジュのオイル」は、ひょっとすると、ずっと日本では知られなかったかもしれません。最悪の場合は、ネパールからも消えていたかもしれません。何か運命のようなものを感じます。

タレジュのオイル

 ユネスコが選ぶ「世界遺産」や「無形文化遺産」があるなら、WHOが選ぶ「世界民間・伝承療法遺産」がなければいけません。そして、その第1番目には、「タレジュのオイル」が推薦されるべきです。ネパール産の天然の7種類のオイルが、アーユルヴェーダ医学、チベット医学、漢方医学の伝統に基づき、まさに神わざ的にブレンドされた、自然の妙薬なのですから。

 最近、私のウェブサイト(www.drmakise.com) へのクリック数が、毎日1万件をこえるようになり、多くの方々に読んでいただけるようになりました。 その多くが、難病、不治の病、原因不明の病気に悩む患者さんか、そのご家族です。「ドクター・ショッピング」を重ね、かなりの散財をし、あるところでは気の病だと相手にされず、あるところではアメリカ流の高額なホルモン補充療法でかえってホルモンバランスを崩し、あるところでは隠れ甲状腺機能低下をうつ病と誤診され、あるところではこれ以上何も手だてはありませんと見放され、私のところにご質問を送ってこられます。ほとんどの方々は、ご自分の病気については医者以上に、栄養学や分子矯正医学などに精通されておられ、たいていのビタミンやミネラル、自然ホルモンなどを試されたあとです。それでも思わしくないのです。しかし、決して諦めないでください。まだ、大いなる希望はあるのです。それは、この「タレジュのオイル」です。

 現代の創薬はコンピュータを駆使して数億の組みあわせから、新薬をつくりだします。しかし、そもそも、コンピュータのデータに、たとえばネパールのジャタマシという植物の葉のエッセンシャルオイルなど入っていません。また、ネパール語(ヒンドゥー語とは違います)で書かれた文献を読める薬学関係の人は、まずネパール人以外いません。しかも、5世紀のネパール語文献ともなると、考古学者以外、皆無でしょう。つまり、言い換えれば、たとえ数億の新薬が理論的にできるとしても、絶対に越えられないものが、無数に、星の数以上に存在するということなのです。
 私たちの基本は、ネパールの女神の名を冠した「タレジュのオイル」です。それに、ヒマラヤ山脈のハーブのエッセンシャルオイルを、一つ、二つと、足していきます。まるで、油の錬金術師のような秘儀を感じさせる手作業です。そして、現代医学のビタミン・ミネラルで補完するのです。こういう処方は、コンピュータを使ったやり方では不可能に近いのです。

 たとえば、関節リウマチには、このタレジュのオイルに糸杉のオイルを混ぜ、月桃、プロテオグリカンを足す。IgA腎症にはタレジュのオイルとフラックスシードオイル、アシタバカルコン、イノシトール。COPD(慢性閉塞性肺疾患)には、このオイルとシャクナゲのオイル、そしてα-GPC。更年期障害には、クロムやビタミンKといったホルモン調節系のビタミンに、タレジュのオイルとアマゾン上流産のサチャインチオイルを追加。もう20年以上前から、医薬品の代わりに、ビタミン、ミネラル、ハーブ類で病気が治せないかと、さまざまな世界の民間・伝承療法を研究し、ようやく「月桃」と、この「タレジュのオイル」に行きつきました。そして、ついに一つの壁をこえることができた予感がするのです。このオイルをベースにして、さらに効果的な次世代の代替療法を展開していきたいと思います。名づけてオイル・メディスン “Oil Medicine” 。今まで、さまざまな治療を受けてきたにもかかわらず、満足のいく結果が得られない患者さんでも、まだこの選択があるのです。

細胞膜の2重構造

 60兆もあるヒトの細胞膜は、リン脂質(つまりオイル)の2重膜構造です。どんな物質でも、この膜を通って細胞内に入って行けるか行けないかが、問題となってきます。ウイルスはオイルでできた細胞膜を通過し、細胞の中に入ることができなければ、増加できません。みなさんは、インスリン抵抗性という言葉を聞かれたことがあると思います。これは、インスリン依存のグルコース輸送体(GLUT4)によってグルコースが細胞内に入り込むのが正常なあり方なのですが、それがうまく機能しなくる状態を言います。つまり、油の二重構造である膜をグルコースが通過できず、細胞内にあるミトコンドリアまで到達できず、いわゆる糖尿病がおこるのです。リン脂質の二重膜の内と外のイオン交換が邪魔されれば、神経細胞の電気信号は途絶えます。つまり、単細胞のアメーバから60兆の多細胞のヒトまで、生物の一切合切すべての基本的生理は、オイルでできた細胞膜の状態が反映されているのです。

 おそらく、油を巧みに使うことが、これからの医療の鍵となるはずです。何ゆえに、数千年の歴史をもつアーユルヴェーダ医学はかくも多彩な油を使うのか。何ゆえに、チベット医学の聖典「四部医典」には油脂療法の詳細な記述があるのか。何ゆえに、「露」という言葉をもって、さまざま植物の精油について、中国の古典には記載があるのか。古来から優れた医学は、すべてオイルの使い方に精通していたのです。

【広報室】

このネパールのエッセンシャルオイルは、本当に色々な方々のご縁とつながりによって、日本での販売が実現いたしました。また、このエッセンシャルオイルとの関わりによって、当クリニックの診療や研究所の研究開発にとっても、大変大きな成果に結びつきました。その成果はそう遠くない日に皆さんお伝えできるかと存じます。 些か大袈裟な表現かもしれませんが、どんなに優れた人類の英知でさえも「大いなる自然の恵み」の前では、その偉大さを証明するための術に過ぎないのかもしれません。このタレジュのオイルはそんな大自然の力が凝縮された優れたオイルです。


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