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ED(勃起不全)

 

ここに述べることは、あくまで一般的な参考としての情報であり、読者が医学知識を増やすための自習の助けになるものであり、それを越えるものではありません。
また、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに書かれてあるサプリメントを摂ったり、治療法を行い、症状が悪化しても、いっさい責任はとれません。 インターネットにより、Dr.牧瀬のアドバイスを受けられたい方は、こちら


 まず最初に、患者からの典型的なメイルを下記に紹介します。

ご質問・ご相談内容

身長:167cm、体重:51kg、家族歴および既往歴:特記事項はありません。

「はじめまして、ご相談です。勃起不全(完全な勃起不全ではなく、“中折れ”の状態です)に関してです。20歳頃より中折れの傾向がありました。これまでに勃起不全改善薬(バイアグラとシアリス)、メチルテストステロン製剤、海馬補腎丸、テストステロンブースターのサプリメント(ETB、T-JACK)を使用してきました。挿入および射精に至るまで、可能となる日もあります。しかし、勃起から僅か数分で中折れに至るケースがほとんどです。
①サプリメント以外の治療方法に関しての質問です。先生のホームページを拝見して、平成23年5月より瀉血およびプラセンタの筋肉注射(どちらも都内のクリニックにて)を始めております。あらゆるクリニックにて施行している血液クレンジング療法(オゾン療法)に関して、先生のご意見をお聞かせ下さい。
②サプリメントに関しての質問です。今後、サプリメントの服用を考えております。可能であれば、アトピー性皮膚炎のページのようなご提示(セット内容および価格など)を頂ければ大変助かります。
以上、よろしくお願い致します。」



以上の質問に関する、私の回答です。

以上の質問に関する、私の回答です。


拝復
ご相談のメイル拝受いたしました。しかし、年齢が書かれていませんので、あなたが40代~50代であると想定して回答します。
まず、「家族歴および既往歴:特記事項はありません。」と書かれていますが、軽い高血圧などは、病気のうちには入らないと思い、降圧剤の服用などを書かれていない場合があります。 降圧剤、抗うつ剤、プロペシア(育毛剤)、プロスカー(前立腺肥大薬)の服用のチェックを必ずしてください。この4つは性欲を減退させ、勃起障害につながります。
 すでにさまざまな精力剤などを試されたことだと思いますが、その中で「トリビュラス・テレストリス」だけは、継続して摂らないほうがいいでしょう。 前立腺癌を惹起しやすくなることがありますから。 この精力剤は筋肉を増強させるということで、ブルガリアのウエイトリフティングの選手が使用して、一躍東ヨーロッパで有名になったこともあります。
 また、確実に言えることは、海綿体の血管につまりがあるばあい、どんなサプリメントを摂っても効果が減弱します。 その血管のつまりを最も簡単に解決するには、ペニスからの瀉血です。 www.drmakise.com の「瀉血(しゃけつ)」の下から3番目の「勃起障害」のページを参考にしてください。 半年に一度ほど、韓国に解毒旅行に患者さんをお連れしますから、それに参加されたらいいでしょう。

---①についての回答
どのような瀉血を行われているのでしょうか?しかし、瀉血はペニスから行わなければ、意味がありません。 韓国の韓方医学専門病院では亀頭から瀉血をするのですが。血液クレンジング療法がそれほど役に立つとは思えません。

---②についての回答
貴殿のようなケースには、「ワンクリック・サプリメント」の 「精力回復セット」を一度試されることをすすめています。 それに足して、月桃を6~8カプセル/日、最低三ヶ月間、摂ることです。

以上、取り急ぎ、回答まで。どうかお大事になさってください。

牧瀬



以上の回答に関する、患者からの返信は次のたったの2行です。

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早速のご返答、ありがとうございました。
今後の参考にさせて頂きます。
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医者にこれだけ無料で回答させて、「今後の参考にさせて頂きます」の一言とは、真剣に私の意見をとらえていないのです。
 しかし、まだ、この患者は2行だけ返信しているだけましです。ひどいのになると、返信もしてこない患者がいます。
 この患者は、ただで回答してもらっているがゆえに、まさに、参考程度にしか、私のアドバイスをとらえず、結局何一つ実行せず、ずっと「中折れ状態」のままになるでしょう。

 もっとも多い、男性の悩みは、この「中折れ状態です」。これを解決する、効果的な治療は、ペニスからの瀉血なのです。 この患者がうけている「瀉血およびプラセンタの筋肉注射」などでは、この「中折れ」は改善しません。改善していないから、こういう質問を送ってきているのです。


1)まず、常備薬のチェックをしてください。

降圧剤、抗うつ剤、プロペシア(育毛剤)、プロスカー(前立腺肥大薬)。この4つは性欲を減退させ、勃起障害につながります。このうちどれか1つでも服用しているのなら、まず、それが止められるものであれば止めて、他のものに代えてください。
また、抗高脂血症剤も以上の4つほどではありませんが、影響することがあります。ビタミン、ミネラル、ハーブに代えるのが適切です。またグレープフルーツジュースは性欲を減少させますので飲まないように。
それと、基礎となる疾患、特に糖尿病、動脈硬化、心臓病、腎臓病、肝臓病、内分泌系の病気などに注意して下さい。
こういう疾病がある場合、EDは頻繁におこります。まずその治療に専念して下さい。
うつ病、仮面うつ病も著しく性欲を減退させます。そういった病気の初発症状としてEDがおこることもあるくらいです。そして、その治療に使われる薬が、またEDを引きおこすという悪循環を来します。


2)動脈硬化の予防

 普通、EDと動脈硬化の進行具合は正の相関関係があるといわれています。つまり、動脈硬化が進めば進むほど、EDになりやすいということです。
したがって、動脈硬化を主な原因とする狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、もっと軽いものでは一時的な脳の虚血からくる物忘れ、麻痺(例えば、ぽろっと箸を落とすというような症状)などがおこっていれば、当然、陰茎の海綿体動脈や内腸骨動脈にも硬化が生じていると考えるのは論理的であり、また事実そうなのです。
 なぜなら血管は人体の部位ごとに切断されて、独立的に存在しているのではなく、すべてがつながっているからです。
 心筋梗塞をおこした男性の64%、冠動脈バイパス手術を受けた患者さんの57%がEDです。狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、バージャー病、そしてEDと分けて考えるよりも、血管系の病気という一つの大きな枠の中でとらえるほうが理解しやすこともあるのです。
特に沈黙の動脈と呼ばれる内腸骨動脈の閉塞は、EDをおこす以外ほとんど目立った症状をおこしません。
 循環器専門医ですら見落とす盲点です。そこで、ED対策の一つとして、動脈硬化の予防と治療が重要な課題となるのです。
このサイトの『動脈硬化・狭心症・心筋梗塞』のところをお読みください。
「お血」対策(お血については、「瀉血専科」に詳しく書かれています)

しかし、どこもこれといって病気はない。仕事も順調、対人関係も良好である。降圧剤も、抗うつ剤ものんでいない。バイアグラ、レビトラ、シアリス、それにいかがわしい、数かぎりない精力剤も試してみた。女房も恋人も、絶世の美女ではないが、十分に魅力的である。それでも勃起しない。何が原因なのか?
 こういう場合、ペニスの海綿体の血管網に汚い血がたまっていることが多いのです。まず、簡単に勃起のメカニズムを説明します。

性的興奮 → NANC神経と海綿体内皮細胞において、NO(一酸化窒素)合成酵素によりL-アルギニンを基質としてガス状物質であるNOが放出される → NOが海綿体細胞に浸透 → 可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化 → サイクリックGMPが産生される → 細胞内Ca濃度低下 → 海綿体平滑筋が弛緩 → 動脈血が海綿体洞に流入 → 勃起

単純なようですが、けっこう複雑な化学代謝が行われています。
要するに性的興奮により、海綿体の細胞のカルシウムイオン濃度が減り、海綿体の筋肉が緩み、血液が流れ込み、勃起がおこるわけです。バイアグラはカルシウムイオン濃度低下を持続させることによって勃起をうながします。

 しかしです。いくらバイアグラで海綿体の筋肉を緩ませ血液が海綿体に流入しやすくしても、海綿体にある動脈と静脈にドロドロとした汚い血がたまっていては、勃起するための血が十分に流入されません。したがって、バイアグラを服用したが勃起しなかったということになるのです。そこで、そういう血を取り除くために瀉血をします。つまり、汚い血を抜くのです。

 具体的には鍼灸に使う非常に細い針を、わずか0.1mmほどの深さに亀頭に数箇所に刺し、そこからお血を絞りだすのです。針は一瞬の内に抜かれますので、痛さはさほど感じません。治療時間は10分ほどです。
 勃起障害に非常に効果があります。すでに勃起がある人は、お血をとると、さらに強力な勃起と持続が期待できます。
 また、バイアグラさえ必要がなくなる場合も多いのです。この治療は前立腺肥大にも効果があります。これは古代朝鮮の伝統的な治療を踏襲した数少ない韓国人医師が行っているだけで、残念なことに日本では行われていません。私のクリニックでも行っていません。それなりの熟練を要するからです。


3)前立腺の機能調整

 まずもっともすすめられるのが、上記の瀉血です。ペニスからの瀉血と一緒に会陰部からの瀉血も同時に行うことです。
次に前立腺の機能を整えるために、ハーブのノコギリヤシの実からとったエキス。これも大きな薬局でちょっと注意して探してみると、たいてい見つけられます。しかし、本当に質のいいものは、あまりありません。
前立腺肥大の多いアメリカでは、これに亜鉛やリコピンが同時に配合されたものや、さらにイラクサやチョウセンニンジン、カボチャの種子エキスなどが足されたものが数多く出回っています。それにビタミンB6も大切です。
 また亜鉛のサプリメントは日本でもさかんに売られています。しかし、亜鉛やリコピンを長期にわたり摂るのは、非常に注意しなければいけません。思わぬ副作用がおこりえます。亜鉛は特に肝炎の既往のある人や、B型肝炎やC型肝炎のウイルスの保持者は摂ってはいけません。


4)肝機能の強化

 肝臓が弱っていては、精力は確実に落ちてきます。女性ホルモンであるエストロゲンが肝臓で代謝されずに残ってしまったり、あるいはアンドロステンジオンの代謝が低下することによって女性化していくのです。
ひどくなると、男性でも女性のような乳房をもつことになります(医学用語では女性化乳房といいます)。したがって、特に肝臓の健康には気を配って下さい。肝庇護のために最も効果があるのは、月桃加工食品、腸溶性ラクトフェリン、α-リポ酸です。
ここで注意していただきたいのは、ラクトフェリンです。まず、胃で溶けないで腸まで届いて初めて溶ける「腸溶性」でなくてはいけないということです。そして、腸溶性であっても、ヒハツという余計な物質が入っていないものに限るということです。ラベルに注意してください。ヒハツは一時的にはメタボリックシンドロームなどに効果がありますが、長期にわたって摂るべきものではないのです。肝臓にかえって負担をかけます。また、カプセルタイプのものもだめです。まったく効果がありません。


5)腰椎の調整

 腰椎のあたりに歪みがあれば、これもEDの原因になります。
整体やカイロプラクティックで一度はチェックしてもらうことも考慮して下さい。年に一度は健康維持のために定期的に整体を受け、体の歪みをとってください。
年に二度も有害なレントゲン撮影で被爆を受けるより、はるかに健康にいいのです。ただ問題は、本当にうまい先生を探すのが、なかなか難しいということです。柔道整復師、鍼灸師は国家資格なので、極端にいかがわしい先生はいませんが、カイロプラクティック師や気功師は国家資格ではなく彼らが勝手に開業しているわけで、中にはひどい人たちがいることも事実です。厳重に見極めて下さい。
名人による腰椎の調整にはほど遠いのですが、自宅で簡単にできる方法があります。それは金魚運動という一種の腰椎体操です。安価な器具も通販で売られています。インターネットで「金魚運動」を検索してください。下手な整体師にかかるよりも、よほど無難です。


6)睾丸を熱くしないこと

 精子は熱に弱いのです。睾丸が下にぶらさがっているのは、常に精巣を32度ほどに保つためなのです。
毎日熱い湯に長時間入り、サポーター式のパンツをはいていると、精子の数が激減します。不妊の原因ともなります。
EDとは直接に関係ないかもしれませんが、できるだけゆったりとした下着で、睾丸をのびのびと遊ばせて下さい。ふんどしは理想的な下着です。
また、長時間、自転車に乗るのはできるだけ避けて下さい。どうしても陰部の神経、血管に障害をきたしやすいからです。
以上 (1)から(6)をしっかりと気長に実行しているだけでも、かなりEDは克服できます。

 しかし、何といっても、年をとるにつれて、男性ホルモンが減ってくるのは悲しいかな生物としての雄の自然な摂理です。たしかにポテンツは落ちてきます。
 そこで、テストステロンの前駆物質であるDHEA(デハイドロエピアンドロステロン。DHAでないことに注意)や、プレグネノロンが特にアメリカではもてはやされ、医師の処方箋なしにスーパーマーケットでも簡単に買えるくらいです。
 しかし、これは下手に連用すると、特に前立腺肥大症や前立腺がんを悪化させる危険があります。かなりの専門知識をもって服用すべきものです。
そこで、ヨヒンビンやイカリソウを筆頭としてさまざまな精力剤が売られています。しかし、それらの中には非常に注意して摂らねば、高血圧や前立腺癌を惹起するものが多々あります。

7)前立腺肥大予防のために月桃を

 どんな精力剤も長期にわたり摂ると、程度の差はあれ、前立腺肥大を起こす可能性があります。したがって、その予防のために、日に4カプセルほどの月桃とビタミンK2を500mg、お摂りになることをすすめます。
それとPSAを半年に一度は検査してください。そして、少しでも上昇の気配があれば、即、その精力剤は止めてください。
 また、300万円から500万円もする高額な体幹細胞による若返り治療を受けられた際は、特に前立腺肥大の副作用に注意してください。それほど高額でない(と言っても、月に10万円もすることがありますが)、成長ホルモンによる若返り治療も同じことです。男性の場合、どうしても前立腺肥大がおこりやすいのです。それらの治療を行うクリニックや病院は、副作用については明言しないところがあるかもしれませんので、要注意です。

*余談ですが、男性不妊についてです。

2006年5月31日の読売新聞の記事を引用しましょう。

『精子の数、日本最下位
日本人男性の精子数は、フィンランドの男性の精子数の約3分の2しかないなど、調査した欧州4か国・地域よりも少ないことが、日欧の国際共同研究でわかり、英専門誌と日本医師会誌5月号に発表した。
 環境ホルモンが生殖能力にどう影響するか調べるのが目的。
 精巣がんが増えているデンマークの研究者が提唱し、日本から岩本晃明教授(泌尿器科)らが参加した。
 神奈川県内の病院を訪れた、20~44歳の日本人男性324人(平均年齢32.5歳)の精液を採取した。年齢などの条件は各国でそろえ、禁欲期間の長さの違いによる影響が出ないよう補正して、各国男性の精子数を統計的に比較した。
 日本人男性は他国の男性よりも禁欲期間が長く、日本人の精子数を100とすると、フィンランドが147、スコットランド128、フランス110、デンマーク104で、日本が最低だった。  ただ、環境ホルモンの関与が疑われる精巣がんや生殖器の異常の発生率は、日本人男性では非常に低く、研究チームは「精子数の違いは栄養や生活習慣、人種差などが関係しているのではないか」としている。』



情けない話ではありませんか!またセックスの回数も日本はほぼ最下位です。環境ホルモンのなせるわざなのでしょうか?
 まさにエストロゲン・ドミナンスの海に我々日本人はどっぷりとつかっているのかもしれませんね。

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