必要不可欠なマグネシウム

 

 このミネラルに直接依存する人体の酵素は、現在わかっているものだけで325種類もあります。亜鉛に依存する酵素が約200、銅が20そこそこ、セレンが10と比べて、抜群に多いのです。
それがゆえに、間接的にマグネシウムが関与する代謝も含めると、数千の化学反応に及ぶと推測されます。つまり、このミネラルが十分に存在しないと、生理機能は麻痺するということなのです。
特に、心・血管系の病気を考える上で、カリウムと同様にきわめて大切なミネラルです。そして、このマグネシウムはインスタント食品やファストフードからは非常に不足するミネラルです。人類が昔、木の実などよく食べていた時代には不足はなかったのですが、現代では75%の人が不足しているといわれています。
先にオメガ3系不飽和脂肪酸について書きましたが、不飽和脂肪酸の代謝にもマグネシウムは深くかかわっています。これら不飽和脂肪酸が最終的にエイコサノイドに代謝されるときに作用するdesaturase(脱飽和酵素)がきっちりと働くには、ビタミンB3、ビタミンB6、ビタミンC、亜鉛とともに、マグネシウムは不可欠なのです。
また、マグネシウムには有害物質の解毒作用があります。重金属と結合して、体外にはやく排泄させる働きがあるのです。

 このミネラルは、医者がよく処方するアダラート、ヘルベッサーといったカルシウム拮抗剤と似たような作用をもっており、血圧を下げてくれます。しかも、副作用なしにです。さまざまなマグネシウムがありますが、グリシン酸マグネシウムかL-トレオン酸マグネシウムがすすめられます。後者のマグネシウムの価格は高いですが、確かに優れています。
不整脈にも効果があります。骨粗鬆症予防にも非常に大切なミネラルです。

 現代のあまりにも精製されすぎた食物には、昔とくらべて、マグネシウムが著しく欠如しています。しかも、ヒトはマグネシウムを蓄えるメカニズムを持ち合わせていません。さらに、最近の高脂肪の食餌はマグネシウムの吸収を妨げ、高タンパク質の食餌はマグネシウムを体外にはやく排泄させてしまいます。つまり、非常に多くの人たちが、潜在的にマグネシウム不足なのです。

 摂取量は体重1kgに対して、6~8mgほどが適切です。食物や水(硬水の場合)からも少しは得ていますから、サプリメントからは、日に200~300mgぐらいでいいでしょう。食物ではナッツ類、緑黄色野菜に多く含まれています。また、昆布にきわめて多くのマグネシウムが存在します。

 マグネシウムを摂っていて、急に便が柔らかくなり、下痢をおこれば、それはマグネシウムのせいによることが多いので、摂取量を減らしてください。それと、甲状腺機能低下のため、チラージンを摂られているときは、マグネシウムの摂取は慎重に行ってください。マグネシウムはチラージンの作用を弱めることがあるからです。
就寝前30分に摂ると、眠りを深くしてくれる作用もありますから、不眠症気味の人には、そういう摂り方もいいでしょう。

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