カリウムは野菜からとりましょう

 

ナトリウム

 ナトリウム-カリウム・ポンプという言葉を聞いた人はきっとおられると思います。理科系の学生なら、必ずどこかでお目にかかる生理学の基本中の基本です。カリウムは細胞内にあり、ナトリウムは細胞外にあり、細胞膜を間にはさんで、互いにバランスをとりあっています。このバランスをうまく保つのが健康を維持していく上で非常に大切なことはいうまでもありません。血圧を正常にするには、そのカリウムを補うのが重要です。

 したがって、サプリメントから簡単にとりたいのですが、これだけは自然なものからとってください。たしかに、カリウムの錠剤はあります。しかし、医師の観察のもとでとらなければ、かえって危険なのです。カリウムは、最悪の場合、とりすぎは致死的不整脈をおこすことがあるのです。したがって、サプリメント大国アメリカの製品にですら、たいへんにひかえめな量しか、カリウムは入っていません。サプリメントの1錠中には、カリウムは99mgをこえてはならないという規制があるのです。(高カリウム血症の場合、心電図に特異的な波が現れます。これは、医師国家試験にはしばしば出題されます。それほど、重要なテーマなのです)。

セロリ

 では、どうすればいいか。新鮮な野菜をふんだんに補うことです。特にトマトとセロリが良いでしょう。トマトには、カリウムは当然のことながら、他にリコピンというカロテノイドが含まれており、それにも降圧作用があります(リコピンのサプリメントは売られていますが、サプリメントからはリコピンは補わない方が無難です)。 セロリにはあの独特の香りのもとになる3-n-butylphthalide (3nB)という成分が含まれており、これに血圧を下げる作用があるのです。
<参考リンク>:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23735001(英文)

 もし、セロリが嫌いであれば、セロリの種にも含まれていますので、それから作ったサプリメントを探してください。celery seed extract で検索するといいでしょう。ただし、冷え性の人は、セロリやセロリの種はいけません。また、精子を減らす作用がありますので、妊娠を希望している場合は避けてください。

 皮肉なことに、カリウム不足は降圧剤を服用している人におきやすく、とりわけラッシクスなどの降圧利尿剤はカリウム不足を招きがちです。
また、血栓をできにくくするという目的で最近はアスピリンを服用している人が大勢いますが、このアスピリンはカリウムの排泄を促しますので、長期にわたって服用しているときは、必ず血中のカリウム濃度をチェックしておかねばなりません。不整脈がある人は、特に脳血栓などを防止するためにアスピリンが処方されていることがあり、それがかえってカリウム不足を来し、不整脈を悪化させるという悪循環に陥っていることがあるので、注意してください。

 それから、腎臓に問題のある人は、ふんだんな野菜からカリウムを補うことの是非については、専門家と相談してください。

「最近の知見」
 血液透析を受けている患者さんは、カリウムが体内に蓄積することへの懸念のため、野菜や果物が制限されていますが、最近の知見によると、これらの摂取量が多いほど、早期死亡のリスクが低下するようです。

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