コエンザイム(補酵素)Qともよばれ、人体のあらゆる細胞に存在し、エネルギー産生に深くかかわっています。それがゆえに、最も多く含有されている場所は、細胞の電力発電所とよばれるミトコンドリアです。

CoQ10は厳密な意味でのビタミンではありませんが、食物から(あるいはサプリメントから)摂取しなくてはならないとう点で、ほぼビタミンと同じ類と考えてよい抗酸化物質です。特にビタミンEをリサイクルしてくれますので、抗酸化物質ネットワークの一つのメンバーとして最近その重要性がとみに認められてきています。

1957年に牛の心臓のミトコンドリアから分離され、翌年、実験室での合成に成功しました。これはアメリカでの話ですが、1960年代に日本は世界にさきがけて最も多くこのCoQ10を研究し、現在では40あまりの製薬会社がそれぞれのブランド名で医療機関に販売しています。

特に心筋症、高血圧、歯肉炎に効果があり、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(あの車椅子の天文学者ホーキング博士がわずらっていた病気)といった脳神経系の病気にも有効であるという研究がなされています。免疫系を活発にし、がんも予防してくれます(特に乳がん)。若返りにも効果があります。その機序はまだよく解明されていませんが、本態性高血圧の血圧を確実に下げてくれます。

また、CoQ10は体の中でもチロシンというアミノ酸からわずかですが合成されますが、それにはビタミンB6が必要です。したがって、ビタミンB群のサプリメントも補ったほうがいいのです。 CoQ10に、ピロロキノリンキノン (Pyrroloquinoline quinone, PQQ)やシラジットも一緒に足されているサプリメントをみかけます。これも良いでしょう。

もし、あなたが特にスタチン系の抗高脂血症剤(メバロチン、リポバス、ローコール、リピトール、リバロなど)、スルフォニルウレア系血糖降下薬(オイグルコン、ダオニール、アマリール、ブタマイド、アベマイド、ジメリン、デアメリンなど)、三環系抗うつ剤(ノリトレン、アモキサン、イミドール、トフラニール、トリプタノール、スルモンチール、アナフラニール、アンプリット、プロチアデンなど)を服用しているのであれば、CoQ10が不足してきます。ですから、積極的に補う必要があります。

最低、日に300mgは必要です。非常にまれですが、CoQ10を摂ると、不整脈が出るという人がいます。その点に注意してください。

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