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Abelmoschus moschatus

Part3 ペルー

 その席で、東江さんの友人の一人が、麝香の代わりになるアマゾンの植物のことを話してくれました。彼も昔は熱帯魚をヨーロッパに輸出し、ずいぶん儲けたそうですが、それがすたれ、今はヨーロッパの香水業界に「Abelmoschus moschatus」という植物の種を輸出しているそうです。
 これを彼は、「アベルモスチュス モスチァトゥス」と呼んでいたので、最初何のことかよくわからなかったのですが、どこかで聞いた名だという記憶があり、すぐに、「Abelmoschus moschatus」であることに気づきました。僕はこれを「アベルモスクス・モスカツス」と覚えていたのです。
この植物は、日本では、センカクトロロアオイあるいはリュウキュウトロロアオイ呼ばれています。つまり、沖縄にも存在するのです。もっとも、シソとエゴマ程度の、少しの違いはあるのかもしれません。日本では絶滅危惧種に指定されています。
沖縄で絶滅しかかっている植物がアマゾンで今でも採れる。しかも、ヨーロッパに輸出できるほど採れる。これはいったい、どういうことだろうと、非常に興味深いのです。地球の反対側ほど離れた地域で、松とか杉といった一般的な植物でなく、かなり特殊なハイビスカスの一種(リュウキュウトロロアオイはハイビスカスの一種)が生えていた。ひょっとすると、遠い昔、沖縄と南米は交流があったのかもしれません。
この植物の種は麝香とよく似たにおいを発します。そのためヨーロッパに輸出され香水の原料となります。また、種を結んでネックレス仕立てにし、それを首にかけていると、喘息の発作予防になるということです。この二つの用途で商売が成り立つわけです。麝香のにおいと似ていることは知っていましたが、喘息の予防に役立つとは知りませんでした。


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