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エネミー・オブ・アメリカ

Part1 まずはサンフランシスコへ

 『アメリカから「自由」が消える』扶桑社新書という本によると、アメリカには3000万台の防止カメラ設置がされ、毎週40億時間の撮影が行われているということです。これは、まさにジョージ・オーエルが「1984年」という本で予告した管理社会の出現です。この本は一時、共産主義社会を批判するために、よく引用されたことがありました。しかし、皮肉なことに資本主義の最も発達したアメリカで、それがいよいよ現実となってきたのです。「過激思想取締法案」、「愛国者法」など、日本の左翼が聞いたら激怒するような法律がアメリカではできつつあるのです。
10年ほど前に「エネミー・オブ・アメリカ(Enemy of the State)」という映画がありました。まさに、「対テロ防止法」に関するストーリーです。ウイル・スミスとジーン・ハックマン競演のサスペンスアクション映画です。盗撮・盗聴、ペン、腕時計、ズボンにまでGPS装置が仕組まれ居所の追跡。クレジットカードは知らぬ間に無効化される。これが、ついに現実化しつつあるのです。
また、VeriChipという商品名の、人体に埋め込むわずか12mmのICが2004年にFDA(米食品医薬品局)によって認可されました。たとえば。アルツハイマー病で徘徊するような患者の腕に埋め込むと、家族の見ていなすきに、どこか居場所のわからないところに行っても、すぐに見つけられるというのです。まさに、発想の原点は「エネミー・オブ・アメリカ」のGPS装置そのものです。
これを開発した会社の言い分としては、たとえば、患者の病歴--何に対してアレルギーがあるとか、現在服用している薬の種類とか、--をチップに記録しておけば、医者はそれをスキャンすれば、患者が意識不明の場合でも、適切な処置がとれるということなのです。また、家族にもすぐに連絡がとれます。
しかし、これをつけるということは、第三者によって、行動を常に監視されることも意味します。ぼくたちはどこにいようが、何をしていようが、常に監視されているわけです。プライバシーもへったくれもありません。これは、あきらかに行きすぎですが、その歯止めは、極めて難しいのです。医療のメリットばかりを強調され、おそらく、徐々に、徐々に、普及していくことでしょう。このトレンドに対抗するには、アメリカなみの安易な文化しか持てない国民には無理なのです。


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