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重要なサプリメント(3/26)

 

ここに書かれていることは、ドクター牧瀬が、延べ4万人以上のアトピー性皮膚炎を診察した 結果の、最新・最高のアトピー治療法です。しかし、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに 書かれてあるサプリメントをとったり、勝手な治療法を行い、症状が悪化してもドクター牧瀬 はいっさい責任をとれません。

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3.マグネシウム:200mg~300mg/日

 このミネラルに直接依存する人体の酵素は、現在わかっているものだけで325種類もあります。亜鉛に依存する酵素が約200、銅が20そこそこ、セレンが10と比べて、抜群に多いのです。
 それがゆえに、間接的にマグネシウムが関与する代謝も含めると、数千の化学反応に及ぶと推測されます。つまり、このミネラルが十分に存在しないと、皮膚も含めて、生理機能は麻痺するということなのです。
 先にオメガ3系不飽和脂肪酸やオメガ6系不飽和脂肪酸の良し悪しについて、ずいぶん長く論じましたが、こういう不飽和脂肪酸の代謝にもマグネシウムは深くかかわっています。これら不飽和脂肪酸がエイコサノイドに代謝されるときに作用するdesaturase(脱飽和酵素)がきっちりと働くには、マグネシウムが、ビタミンB3、ビタミンB6、ビタミンC、亜鉛とともに不可欠なのです。つまり、マグネシウムが不足していると、いくらフラックスシードオイルをとっても役に立てずに終わってしまいます。また、マグネシウムには有害物質の解毒作用があります。重金属と結合して、体外にはやく排泄させる働きがあるのです。

 現代のあまりにも精製されすぎた食物には、昔とくらべて、マグネシウムが著しく欠如しています。しかも、ヒトはマグネシウムを蓄えるメカニズムを持ち合わせていません。さらに、最近の高脂肪の食餌はマグネシウムの吸収を妨げ、高タンパク質の食餌はマグネシウムを体外にはやく排泄させてしまいます。つまり、非常に多くの人たちが、潜在的にマグネシウム不足なのです。

 しかも、アトピーには喘息が合併していることがよくあり、そのため気管支拡張剤のテオフィリンが処方されていることがしばしばあります。しかし、テオフィリンにはマグネシウムを枯渇させる作用があります。

 また、いじめにあったりして、セロトニン再吸収阻害薬の抗うつ剤を服用している人もいます。このタイプの抗うつ剤にはフッ素が入っており、そのフッ素がマグネシウムと結びつき、 マグネシウム本来の働きを奪ってしまいます。

 また、アトピーという病気自体が、精神的ストレスを重くし、そのためアドレナリンが過剰に分泌され、それがまたマグネシウムを消耗させる結果となり、アトピー患者さんにはマグネシウム不足がとりわけ多いのです。

 そして、重症の場合、ステロイドの内服まですると、そのステロイドによって、さらにマグネシウムがなくなります。その他、甲状腺機能亢進症や糖尿病のときにもマグネシウムは消耗されます。

 この現実にほとんどの医者たちは気づいておらず、一般の検査にはマグネシウムの項目がないのが通例です。アトピーで皮膚科にかかっても、マグネシウムを検査された患者さんは、まずいないでしょう。 数千の代謝に、直接的・間接的に関与しているわけですから、このマグネシウム無視は、無知というべきか無能というべきか、現代医学の過ちの一つだ  といっても、いいすぎではないでしょう。
 また、たとえ検査されたとしても、普通は血漿のマグネシウムです。ところが、血液中に存在するマグネシウムは体内のマグネシウム総量の1%もないのです。しかも、人体はストレスにさらされると、細胞からマグネシウムを汲み出して血液に送り込むため、全身がマグネシウム欠乏状態にあるにもかかわらず、「血漿マグネシウム・テスト」では見かけ上正常に存在しているという誤った情報が得られてしまいます。

 食事指導のところに書いていますように、チョコレートを、そこに使われている油や豆のために、アトピー患者さんには厳禁としています。しかし、とりわけアトピー患者さんはチョコレートが好きなのです。その理由は、チョコレートにマグネシウムが非常に多く含まれているのです。本能的に、患者さんはマグネシウムを欲しているようです。油や豆に問題がなければ、どんどんお食べなさいというところなのですが、残念です。
 また、タバコのニコチン、大量のアルコール(適度な量は問題ありません)はマグネシウムを消耗させます。

 摂取量は体重1kgに対して、6mg~8mgほどが適切です。子供で成長の盛んなときは、体重1kgに対して10mgは必要だともいわれています。食物や水(硬水の場合)からも少しは得ていますから、サプリメントからは、日に200mg~300mgぐらいでいいでしょう。食物ではナッツ類、緑黄色野菜に多く含まれています。また、昆布にきわめて多くのマグネシウムが存在します。

 マグネシウムを急に大量にとると下痢をおこすことがあります(それを利用して、下剤にはマグネシウムがよく使われています)。
 就寝前30分に摂ると、眠りを深くしてくれる作用もありますから、不眠症気味の人には、そういう摂り方もいいでしょう。また、アトピー患者さんは、どちらかというと、夜間に摂ったほうが効果的です。

 それと、"Gastrointestinal Hurry" という問題があります。これはイギリス英語で、日本語の翻訳はありません。 胃腸が急いでいる状態、つまり、食物を食べてから、それが消化されて排出されるまでの時間が短くなることを意味します。さきほど書きましたように、マグネシウムは下剤に応用されるほどですから、一般的に、食物の通過時間を短くします。普通は、食物は口から摂取されて、10時間~12時間後に、肛門から排泄されます。しかし、これがマグネシウムのために短くなり、下痢はしないのですが、6時間~8時間と食物の、消化菅通過時間が短くなります。すると、せっかく摂った、ビタミン・ミネラルが、十分に吸収されずに、排泄されることがおこるのです。マグネシウムを摂取したために、マグネシウム不足になるというパラドックスが生じることがあるのです。必ずおこるというのではありませんが、人によってはそういうことがありえます。
 これは、マグネシウムをサプリメントから補うときに非常に注意しなければいけないことです。したがって、下痢や軟便はしないが、お通じの間隔が短くなったと気づいた場合は、マグネシウムの量を少し減らし、調整したほうが無難かもしれません。
 マグネシウムにもいろいろ種類がありますが、グリシン酸マグネシウムがすすめられます。ぼくのクリニックでも、グリシン酸マグネシウムを処方しています。

血清マグネシウムは普通の健診では調べません。 しかし、ALP(アルカリホスファターゼ)はよく調べます。そこで、もしALPの値がかなり低ければ、マグネシウムや亜鉛の不足を疑ってください。 ALPの活性部位にはマグネシウムと亜鉛が存在しますから。
*ALPに関しては「隠れ甲状腺機能機能低下」のページも参考にして下さい。甲状腺機能低下があれば、アトピーも治りにくいのです。

もし、甲状腺機能低下のため、チラージンを摂られているときは、マグネシウムの摂取は慎重に行ってください。マグネシウムはチラージンの作用を弱めることがあるからです。


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