日本語 | English

完治をあせる、危険なアンチ・ステロイド療法

 

ここに書かれていることは、ドクター牧瀬が、延べ4万人以上のアトピー性皮膚炎を診察した 結果の、最新・最高のアトピー治療法です。しかし、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに 書かれてあるサプリメントをとったり、勝手な治療法を行い、症状が悪化してもドクター牧瀬 はいっさい責任をとれません。

» インターネットによるアトピー診療の流れ(診療をご希望の方は必ずお読み下さい)
» アトピー性皮膚炎に関するご相談・お問い合わせ、軟膏・サプリメントの処方、ご注文はこちら 


医学的根拠のない民間療法ほどこわいアトピー治療はありません。


 世には「アトピー治療」と名うった民間療法が百花繚乱の趣です。漢方、温泉治療、断食道場、野菜スープ、イソジン塗布、酸性水、シジウム茶、何とかの銘水、プルーン、深海水、………と枚挙にいとまがありません。それらの効果は決して否定できるものではないでしょう。

なるほどかなりの人々が、それで完治しないまでも、そうとう改善されたと思われます。家庭医学書のコーナーに並べられている、そういった民間療法に書かれている手記は、 決して嘘ではないはずです。本当に感謝の言葉であふれています。
しかし、そのような幸運な患者さんの背後には、いっこうに良くならなかった患者さんが、おそらく5、6倍はいるに違いありません。

ぼくの診療所には、酸性水で結局はゾウやサイの皮膚のように固くなってしまった患者さんがよくやって来られます(ある 種のアトピーに、酸性水はたしかに有効なのですが、 すべてのアトピーに有効であるとは限らないのです。このへんのところが誤解されているらしく、ひどく肥厚した皮膚の状態になることがあるのです。 しかし、心配しなくてけっこうです。アトピーが改善するにつれて皮膚はもとに戻ります)。
また温泉療法で4~500万円使ったが、いっこうによくならなかったという重症アトピー患者さんもときどきみえます。
つまり、1/5~1/6の確率で良くなった患者さんをもって、大々的に治癒できると喧伝しているのが、世に蔓延するいわゆる民間療法の実態なのです。 そして、民間療法すべてに共通するのはアンチ・ステロイドです。

さあ、恐ろしいステロイドを抜きましょうということで、ピタッと止めます。当然、すごいリバウンドがきます。
そこで、アトピー業者は「もう少しがまんしましょう。そのうち、ステロイドも抜けて、体の悪いものも抜けて、きっとよくなりますから」 (しかし、ステロイドが抜けてという表現は厳密にはいったい何を意味するのでしょうか?)といいます。
1ヵ月、2ヵ月はがまんできるでしょう。しかしたいがい3ヵ月、半年とその凄まじい状態は続きます。かゆさで夜も眠れず、夜通しひっかくものだから、全身血だらけ。 顔から頭から黄色い滲出液で出でべとべと。社会生活など営めたものではありません。

それでも、「もう少しがんばりましょう、もう少しがんばりましょう」ということで(こういっているあいだ、アトピー業者はその分、収益があがるわけです)ずるずると、 何の医学的根拠もない治療を続けます。

ここでいちばん危険なのは、こういう状態のとき、白内障が非常におこりやすいことです。次に問題なのは精神状態です。
3ヵ月、半年、さらに1年と何の保障もなく先が見えないままに、ひどい状態に患者さんはおかれます。アトピーは特に若い患者さんが多く、 これから進学、就職、恋愛、結婚と人生が展開していくのに、出口なしの状態です。

いつまでこの事態が続くのかまったく見当がつきません。ちょうど難破した船に乗っているようなもので、いつ救援がやってくるのか、いつ島に漂着できるのか、 食料と水は日毎、確実に減っていきます。つまり、先がまったく見ないです。

その精神的ストレスは並大抵のものではなく、その過剰なストレスによって、さらにアトピーがひどくなるという最悪の悪循環に陥ってしまいます。 そのうち長引く炎症のために色素沈着は増し、あげくのはてには、ゾウやサイの皮膚のようにごわごわと固くなってしまいます。

これが世にはびこるアンチ・ステロイドの民間療法の実態なのです。はたして、このような危険な治療法は、ステロイドを使った治療より安全なのでしょうか? 心と体にやさしい自然な療法なのでしょうか?

  • 「ステロイド軟膏は使うな。爪をもんで、交感神経と副交感神経のバランスをとれば、アトピーは治る」
  • 「いっさい医薬品は使うな。ステロイドは特にこわい」
  • 「玄米を食べて、ショウガ茶を飲んで体を温めれば、ステロイドは要らない」
  • 「さぁ、副作用の多いステロイド軟膏から離脱し、早起きセロトニン・アップ生活習慣で、アトピーを治しましょう!!」

――― あほなことをぬかすな!!  そのくらいで、アトピーが治るのなら、誰も苦労はしない!!

こういうことを平気で言う、薬剤師や漢方医や健康評論家は、どれだけ、急激な脱ステロイドが怖いか、自分の目で 確かめろ!!
実に無責任な人たちです。実際にアトピー患者さんを誰一人として治療せず、何ごとも語るなかれ。

最悪の例をあげましょう。30歳の男性です。ステロイド軟膏は危険だからということで、脱ステロイドを始めます。急に止めたため、当然、ひどいリバウンドがおこり、全身をかきむしります。 掻き傷が体中にできます。そこから、細菌が入り、心臓の弁にいたり、心臓弁膜症をおこします。そこで、開胸手術で、心臓の弁を人工弁に置換します。これだけでも、たいへんなことです。 しかし、それだけではすまなかったのです。人工弁にするとどうしても血栓ができやすく、それが脳に飛び、脳梗塞をおこし、幸い体の麻痺は残りませんでしたが、 軽い言語麻痺が残ってしまいました。アトピー → 無謀な脱ステロイド →心臓弁膜症 → 脳梗塞 という図式です。絶対に、無茶な脱ステロイドを試みてはいけません。

ステロイドを止めるにも、止め方というものがあります。もちろんぼくのクリニックでも最終的にはステロイド軟膏を使用しないですむ状態にまでもっていこうと指導しますが、 いっきにステロイド外用を止めることはありません。
今、述べたように危険だからです。ステロイドは現代医学が人類にくれた最高の賜物の一つであるということを、決して忘れてはいけません。毒ではないのです。
これがなければ、非常に多くの人が死に至り、激烈な痛みのまま生活を余儀なくされます。工夫して使えばいいのです。自然のサプリメントと共存させて使えばいいのです。

医薬品をできるだけ使わず、自然の材料でできたサプリメントだけで治療を行なうとしているぼくが、なぜあえて、ステロイド含有の軟膏を許容するか、そのわけは以上のとおりです。 現在のところぼくはステロイドよりまさるものとまだ出会っていないからです。出会えば、当然、あっさりと捨て去ります。

また、ここで、重大なことは、再度言いますが、脱ステロイドするからアトピーが治るのではなく、 体の中から改善されアトピーが治ってくるから脱ステロイドができるのです。そして、その過程は、1年から2年ほどかかりますから、自然に知らないうちに、 「脱ステロイド」が達成されるということです。

ぼくは、いまだかつて一気に脱ステロイドを試みて成功した患者さんを見た(診た)ことがありません。ほとんど例外なく、悲惨な状態に陥り、失敗しています。

少しずつステロイドを減らし、あとで述べるサプリメントを摂り、食事に気をつけているうちに、ゆっくりと、三歩前進二歩後退という調子で、 ジグザクしながらも改善に向かっていくものです。そして、一年もたって振り返ってみると、なるほどステロイドを使う量がずいぶんと減ったと気づくのです。 これが、本当の意味での脱ステロイドで、こういう脱ステロイドを行うと、リバウンドもありません。

さきほどの、心臓弁膜症と脳梗塞までおこした患者さんは、結局、ステロイドを使わなければ、コントロールできないとわかり、ぼくのクリニックのステロイドとサプリメントをとりながら、 超重症のアトピーを2年半かけて、ついにステロイドなしで、コントロールできるようになりました。

長い人生においては、当然、不可避的にストレスのかかる状況に置かれ、アトピーが再発することもあります。
しかし、そういう場合でも、せいぜい2~3週間ほど、ためらわず、ステロイド軟膏を使用すれば、それだけで乗り切れていけるものです。 もう、アトピーをおこさせる体質を基本的には改善していますので、重症化することを恐れる心配はないのです。

特に、受験や就職活動を行っている、精神的ストレスがかかる時期に、一気に脱ステロイドを試みるのはいけません。絶対といっていいほど、失敗します。 こういう時期は、むしろステロイド軟膏を積極的に使い、痒みや赤味を一時的に抑え、人生の一大事を乗り切ることです。
そして、それを乗り越え、ストレスが比較的にかからない時期に、ゆっくりと脱ステロイドしていくのです。そうでなければ、受験にも就職にも失敗し、さらにストレスがかかり、 にっちもさっちも行かない状態に追い込まれてしまいますよ。これが常識というものです。常識を逸脱した治療は、必ず失敗します。

これから、ここに記載されている膨大な量の情報をあなたはお読みになるわけですが、要点をごく簡単にまとめると、次のようになります。

  • ステロイド軟膏は必要な場合があり、正しく使うべきである。
  • 脱ステロイドをするからアトピーが治るというのは、何の医学的根拠もない。
  • アトピーのほとんどの基本的な原因は体の中にあり、体の中から改善されていくと、自然に脱ステロイドが可能になる。

今から、先が十分見えるように、さまざまな方法を解説します。


著作権に関する表示:当ウェブサイト内のすべてのコンテンツ(記事/画像等)の無断転載及び無断転用(コンテンツを無断流用した改変の掲載も含む)は固くお断り致します。