オメガ3不飽和脂肪酸をとろう!

 

6)オメガ3をとろう!

 アトピー性皮膚炎の根治療法は、まず食事をできるだけ野菜や果物の多いものにかえ、特に牛肉、豚肉、マトン、鶏肉といった高タンパク質でアラキドン酸を多く含むものを避け、サフラワー油(べに花油)、サンフラワー油(ひまわり油)、コーン油、大豆油、ナタネ油といったリノール酸の多い油を料理に使わないということです。
炒め物にするより、水炊きにするという、ちょっとした工夫がアトピーを改善してくれるのです。
そしてオメガ3の不飽和脂肪酸の摂取を意図的にもっと増やし、オメガ3とオメガ6の比率をできるだけ、ω3:ω6=1:2~3に近づけることです。

 こうすることによって、良性のエイコサノイドが増え、アトピーのみならず、がんさえ含めた多彩な病気の予防になり、また治療にもつながるのです。
オメガ3のEPA、DHAは、背中の青い魚に多く含まれます。肉を食べるよりも、魚を食べてください。

 しかし、マグロ、カツオ、サバ、サンマ、イワシなどの青魚は、特に重症のアトピー患者さんにはあまりすすめません。 なぜなら、魚油はヒスチジンという必須アミノ酸を多く含んでおり、それは痒み(かゆみ)をおこすヒスタミンの前駆物質であるからです。 そして、ヒスチジンは亜鉛を体外に排泄する作用があります。亜鉛は皮膚にとって非常に重要なミネラルです(しかし、だからといって、亜鉛も摂りすぎてはいけません)。

 また、よく言われることですが、最近、魚は海洋汚染のために水銀などの有害重金属を含んでいる危険性があるためです。(特に深海ザメのエキスやオイルなどは、かなり危険でしょう。)

 したがって、痒みの非常に強いアトピー患者さんは、症状が軽快するまでは、青魚は積極的には摂らないほうがいいかもしれません。しかし、そういったものを食べて痒みが増さなければ、まったく問題はありません。肉、ハム、ソーセージ、チーズなどよりずっとましです。そして、アトピーが治っていくにつれて、青魚を食べても痒みはでてこなくなります。しかし、できれば白身の魚にしておいた方が無難です。

 そこで、ぼくのクリニックではα-リノレン酸を確実に摂ってもらうために、フラックスシード(亜麻の種)かフラックスシードオイルをすすめています。
カナダ産の有機栽培されたフラックス(亜麻)、その種を大さじ2~3杯、コーヒーミルで粉末にし、ジュース(リンゴジュースかパイナップルジュース)に入れて飲むのです。あるいはサラダにふりかけてもいいでしょう。
コーヒーミルを持ち合わせていない人は、よく噛んで食べるという方法もありますが、それはお勧めできません。なぜなら、種は小さいうえに皮がけっこうかたく、かなりの種が噛み砕かれずにそのまま飲み込まれてしまうからです。
その場合、フラックスシードは何の効果もありません。また、フラックスシードは粉末にすると、すぐに摂ってください。つまり、一回ごとに粉末にするのが面倒くさいといって、2~3日分、まとめて粉末にするようなことはしないでください。すぐに酸化されるからです。

 このフラックスシードを粉末にして摂るというのが面倒な人たちは、すでにフラックスシードから圧搾されてできたフラックスシードオイル(亜麻仁油)がありますから、それでもいいでしょう。

 日に大さじ1/3~半分で十分です。また、フラックスシードオイルをソフトジェル様のカプセルに入れたものが、サプリメントとして売られています。普通、1000mgのオイルが1カプセルに入っていますので、日に2~3個摂ってください。ひどい花粉症の人にも効果があります。花粉の季節になると、4~5カプセルほど摂ってください。
便利さからいえば、このカプセルに入ったフラックスシードオイルが重宝なのですが、できるなら、そのもとになるフラックスシード(種)そのものを粉末にして摂ったほうがいいでしょう。なぜなら、フラックスシードにはオイル以外に、リグナン(抗腫瘍作用などがある)や植物繊維がふんだんに含まれているからです。

 しかし、フラックスシードを摂る場合、植物繊維が多いので、他のビタミンやミネラルのサプリメントとは一緒に摂らないほうがいいのです。3時間ほど間隔をあけて摂ってください。なぜなら、せっかく摂ったビタミンやミネラルが繊維にからみとられてしまい、便と一緒に体外に出てしまう恐れがあるからです。オイルの場合、その心配はいりません。
また、フラックスシードやフラックスシードオイルを摂る場合、体内での酸化を防ぐために、ビタミンE、セレン、α-リポ酸、CoQ10など、どれか一つを一緒に摂ることがすすめられます。

 それから、炒め物に使う油はオメガ9系列の脂肪酸を多く含むオリーブオイル(あるいはマカデミアンナッツオイル)を使ってください。いちばんいいのは、もちろんツバキオイルですが、炒めものに使うには、これは、やや高価すぎます。

オメガ3系列のオイルはすぐに酸化されますので、炒め物に使ってはいけません。くれぐれも注意してください。

 また、サラダのドレッシングにはフラックスシードオイルや紫蘇油(シソ油)を使ってください。決してマヨネーズや普通のサラダドレッシングを使ってはいけません。

最近、ココナッツオイルはどうでしょうかという質問がよくあります。ココナッツオイルの60%を占めるのが中鎖脂肪酸で、分子構造が長鎖脂肪酸(先に述べた、α-リノレン酸、リノール酸、アラキドン酸などは長鎖脂肪酸です)の半分ほどの長さの脂肪酸です。消化や吸収経路が、長鎖脂肪酸とは違っていますので、長鎖脂肪酸の4~5倍速く分解され短時間でエネルギーになります。しかし、エイコサノイドの代謝とは関係がありませんので、アトピーに対する効果については、ほとんど関係がありません。つまり、アトピーを改善させようとして摂っても無意味ですが、ココナッツオイルを摂ったからといって、アトピーが悪化することもないということです。

 ここに書かれていることは、ドクター牧瀬が、延べ5万人以上の皮膚科領域の患者さんを、内科医の立場から診察した、つまり、多くの皮膚病は体の内部の問題が皮膚に現れたとみなして治療する根治方法です。
 しかし、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに 書かれてあるサプリメントをとったり、勝手な治療法を行い、症状が悪化してもドクター牧瀬 はいっさい責任をとれません。

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