
肺がんの早期発見のためになされる胸部レントゲン撮影による検診は、意味がないとはっきりと証明されています。肺がんの治癒向上には無意味なのです。
1986年の Journal of Occupational Medicine (28:746 ~750)に「標準的な検査と4ヵ月ごとの胸部レントゲン線写真および喀痰細胞診とを比較しても死亡率に総体的な差はない」という臨床試験の結果が報告されたことから、アメリカをはじめ外国では、集団検診では胸部レントゲン線撮影は行なわれていません。
つまり、たとえ肺がんが見つかったとしても、胸部レントゲン線撮影で発見できるほどの大きさになってしまった時点では、そこからがん治療を始めても現代の医療水準では、治癒率は向上しないということです。したがって、無意味な被爆を与えることは止めようということなのです。
また、米国胸部医学会(ACCP)は、同学会の雑誌Chest(2007;132 Suppl:IS 422S)に、「エビデンスに基づく肺がん診断・管理ガイドライン」第2版を発表し、その中で、低線量CTスクリーングも意味がないので推奨できないと、報告しています。
「肺がんリスクが高いとみなされる患者を含め、低線量CTによる肺がんスクリーニングが死亡率を低下させることを示すエビデンスはほとんどない」と明記しています。
さらに、ガイドラインは、喫煙者などの高リスク集団を含めた一般人口の肺がんスクリーニングに低線量CT、胸部X線撮影、単回または連続喀痰細胞診を用いないように推奨しているのです。
したがって、いかに胸部レントゲン撮影が無意味であることがおわかりになるでしょう。要するに、集団検診レベルの検査では、肺がんの早期発見には何の役にもたたないということなのです。
では、癌家系であるか、ヘビースモーカーであればどうしたらいいのでしょうか。その場合は、PETか、ヘリカルCTや多列検出器CTで検査を行ない、さらに肺癌の腫瘍マーカーであるフェリチン、CEA、SCC、SLX、CYFRA、IAP、TPA、NSE、Pro-GRP等を血液検査でチェックされたらいいでしょう(これだけ、全部一緒に調べると健康保険はききません)。
もっとも、あるていど癌が大きくならなければ腫瘍マーカーは有意に上昇せず、現在のところ、腫瘍マーカーで早期の癌は発見できないとされていますが。
しかし、いずれにせよ、がんが発見されたとします。どうするか? 肺がんは小細胞がんと非小細胞がんに分けられます。非小細胞がんのⅠ期、Ⅱ期は手術の絶対適応ですが、それ以上ステージが進むと、無駄な手術は避けたほうがいいでしょう。
小細胞がんは抗がん剤によく反応するということですが、いかなる抗がん剤を使用したとしてもそれによって生存率が高くなったとは未だ証明されていません。
したがって、すべての抗がん剤の使用は近藤誠氏がいみじくもいったようないわゆる非証明治療(つまりアガリクス、ハナビラダケ、フコイダン、何とかの霊水、……といった民間療法)と理論的にはまったく同じレベルにあるどころか、抗がん剤のほうは100%副作用があるのでまだ民間療法のほうがずっとましだということです。
さらに抗がん剤は肺門部に多い扁平上皮がんには、ことさら無効です。
もしがんのタイプを主治医に訊いて(もし教えてくれないのなら、即刻その病院を退院するべきです)それが扁平上皮がんであれば、抗がん剤の使用は絶対避けるべきです。無意味どころか、かえって新たなるがんを誘発しかねます。
私のクリニックではパクリタキセル含有杉、タヒボ、それに腸溶性ラクトフェリンを基本的なサプリメントとして処方しています。