
ヒトゲノム解読のおかげで次から次へとがんの遺伝子がみつけられています。けっこうなことだと思いますが、ここで注意しておかねばならないのは、単一のがん遺伝子によって、決してがんになるように運命づけられているのではないということです。
よほどの例外以外は(たとえば色素性乾皮症のときに生じる皮膚がん)、食物、環境、生活態度で十分にがんを防ぐことができます。
今から述べることを、実生活で守ることは非常に難しいことはわかっています。それでも、できるだけ守ってください。ましてや、すでにがんにかかってしまった人は、治療のつもりで実行してください。
1.まず、肉食はできるだけ、ひかえること。その理由を列記します。
a)とくにアメリカ産の肉は食べないこと。
可能なかぎり早く成長させ、太らせ、そして屠殺するために各種ホルモンや抗生物質が使用されています。
17ベータ・エストラディオール、プロゲステロン、テストステロン、トレンボロン、ゼラノール、メレンゲストールが投与されて、無理やりに早く、大きく成長させ、柔らかい肉にしているのです。すべて発がん物質です。そのためヨーロッパはアメリカの肉の輸入を拒否しています。USビーフと書かれていたら、がんを覚悟で食べてください。
b)ダイオキシンや環境ホルモンが食物連鎖の過程で濃縮され(これを生物濃縮とよびます)、特に牛、豚、羊などの脂肪組織に蓄積されます。ですから、生産地や、どういう餌で育ったかが、非常に問題となります。
c)牛、豚、羊の脂は飽和脂肪酸ですので、これも摂り過ぎては体によくありません。それに反し、低脂肪食は卵巣癌や乳がんのリスクを低減させます。Journal of the National Cancer Institute (2007;99:1534-1543)、JAMA(2006;295:629-642,643-654,655-666)。
d)アラキドン酸も赤みの肉には多く含まれており、これから悪性のエイコサノイドが代謝されてきます。適度のアラキドン酸は当然必要ですが、摂り過ぎてはいけません。日本で、普通の飼育方法で育てられた、牛や豚の肉には、アラキドン酸が多いのです。
また、薫製にした、あるいは加工した肉、つまり、ベーコン、サラミ、ボローニャソーセージ、ビーフジャーキー、ハムなども当然避けてください。
次はがんには直接に関係はありませんが肉食を避けてほしい理由です。
e)日本でも、狂牛病がみつかっています。今のところ牛に限られているようですが、羊、豚と広がらないという保証はまったくありません。昔から、当然あったのですが、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(人間の狂牛病)を診断できず、他の病気にしてしまい、資料が残っていなかっただけのことなです。
2.その他、避けるべき食品
人工甘味料、人工着色料、人工調味料を含んだもの。炭酸飲料。缶詰。インスタント食品。スナック。ファストフード。マイクロウエーブで調理した食物(フリーラジカルによって栄養素が破壊されています)。
電子レンジは便利ですが、私の家にはおいてありません。
3.調理にはエクストラ・ヴァージン・オリーブオイルを使ってください。
また、特に古い植物性オイル、あるいは光にさらされたいかなるオイルも使ってはいけません。
これからきっとフラックスシード・オイルというオイルがみかけられるようになると思いますが、植物性でありオメガ3の脂肪酸をとることができ、理想的なのですが、非常に熱に弱いことに注意してください。
したがって炒めものには使わないように。ドレッシングとして使ってください。また、マーガリンは絶対にいけません。マーガリンを使うくらいなら、バターやラードのほうがずっとましです。