
現在、世界中で1200万人がアルツハイマー病に罹患しており、このまま予防法、治療法が見つけだされなければ2025年までにはその数は二倍近くの2200万人になるといわれています。
また、この病気は先進国のみならず、発展途上国にも蔓延し、2025年までにはアルツハイマー病患者の71%が発展途上国に住むことになります。その数は1980年と比べて4倍です。まさに、がんと並んで、21世紀最大の世界的病気になりそうです。しかし、将来的にはワクチンによる予防が可能になるかもしれません。
病理的にはびまん性の大脳萎縮、老人斑、神経原線維変化。精神症状記銘・記憶障害で始まり、見当識障害、計算力、判断力、認識力の低下。外出、徘徊などの知的機能の障害と行動異常神経症状。中期より、失語、失認、失行が目立ち、反響語言葉の最後の部分のみをくりかえす言語クローヌス(logoclonus)が現れる。
男女の罹患率は女性の方が、男性の約3倍です。発症からの平均寿命は8年ですが、20年の生存もあります。
アルツハイマー病の患者さんの脳を調べてみると、老人斑というシミのようなものが数多く存在します。このシミの主成分が神経毒をもつアミロイドβタンパク(Aβ)で、これがアルツハイマー病の鍵を握っているのではないかと推測されています。
このベータ。アミロイドの主要構造を大阪大学のグループが世界に先駆けて解明しました。その他、神経細胞内にも異常な繊維状の物質が蓄積しています。このような現象がなぜおこるのが未だに解明されていません。
アルツハイマー病以外で痴呆をきたす代表的な疾患は脳血管性認知症で、いわゆる脳卒中のあとなどによくおきるものです。日本の場合、こちらの方が多かったのですが、最近はアルツハイマー病の方が多くなってきているようです。
最近の知見によると、アルツハイマー病の場合、非常に早い初期症状として、嗅覚の損失で始まることがあるということです。専門家で詳しいことを知りたいかたはAnn Neurol 2005 ;58:155-160 をお読みください。
アメリカでの標準治療は、アセチルコリン分解酵素阻害薬と塩酸メマンチン、それにビタミンEです。アセチルコリン分解酵素阻害薬は日本のエーザイが開発した塩酸ドネペジル(商品名アリセプト)が有名です。またガランタミン(商品名ラザダイン)もよく使われます。
このガランタミンはラッパスイゼンの球根からとれます。塩酸メマンチンはN-メチルDアスパラギン酸塩あるいはNMDAとして知られているレセプターを抑制することによって症状を寛解させます。
日本では、塩酸メマンチンはまだ許可されていません。したがって、今のところ、アセチルコリン分解酵素阻害薬が主な治療薬です。しかし、いずれも対症療法にすぎず、根治療法ではありません。また、睡眠薬、抗てんかん薬、抗うつ剤も症状に応じてだされます。
したがって、サプリメントによる治療もあくまで、対症療法になってしまいます。詳しい症状、それから特に現在服用されている薬の名前を書かれて、お知らせください。