
頭痛は簡単に分類すると、次のようになります。
| 誰にでもおこる日常的な頭痛 : | ストレス、二日酔い、寝すぎたとき、人ごみの中にいるとき、逆光が目に入ったときなど。 |
| 脳や全身の病気が原因の頭痛 : | 脳腫瘍、脳膜炎、くも膜下出血、低血糖、高血圧など。 |
| 頭痛もちの頭痛ともよばれる慢性頭痛 : | ①片頭痛 ②緊張型頭痛 ③群発頭痛 |
以上のうち、誰にでもおこる日常的な頭痛はさほど心配はありません。しかし、脳や全身の病気が原因の場合は、当然のことながら、病院で精査が必要で、ここであつかえるようなものではありません。したがって、①片頭痛、②緊張型頭痛、③群発頭痛の三つをあつかいます。
吐き気をともなうような強い頭痛が一定の期間をおいておこります。女性に多く、その比率は、男性の4倍です。母親が片頭痛だと、子供もかかる率は高くなります。
原因は、セロトニンの動向が関係しているようですが、ほんとうのところよくわかっていません。ストレスやホルモン変化などが引き金になっておこりやすいのですが、チョコレートやワイン、チーズなど、特定の食物が誘因となる場合もあります。
多くの患者さんには、痛みの起きる直前に前兆があったり、さらにその前に予兆があることが少なくありません。あくび、むくみ、イライラ感、空腹感などが予兆として1~2日前に現れることがあります。
最も多い前兆が「閃輝暗点」(せんきあんてん)です。視野の中心にチカチカと光るフラッシュ状の光線です。こういった前兆や予兆は患者さんご自身がよく知っておられることが多く、ご自分なりの対策を立てられます。
まず、予兆があれば、できることならすぐに横になり眠ることです。睡眠は片頭痛に非常に効果があるのです。普通、病院でだされる薬はトリプタン系薬剤(イミグラン、ゾーミッグ)か酒石酸エルゴタミン(カフェルゴット)などです。
ただし、こういった薬は狭心症、心筋梗塞、脳血管障害などの既往のある人たちは可能なかぎり使ってはいけません。これらの薬の作用は血管を収縮させることによって片頭痛を治療するのですから。
その他、セデス、バファリン、ボルタレンなどです。特に、トリプタン系薬剤、酒石酸エルゴタミンは片頭痛に効きますから、それに頼ってしまい、心理的依存症・中毒をおこし、それらの薬が手放せなくなる人がいます。
しかし、毎日、服用すると、血管が収縮され続け、高血圧をきたしたり、抹消の血液循環が悪くなり、足に壊死をおこすようなこともあります。
また、更年期障害のためにホルモン補充療法(HRT)を受けている人にも、おこることがあります。
日本のHRTは妊娠したメス馬の尿からつくったエストロゲンを使用していますから、副作用として片頭痛がおこることがあるのです。
この場合、すみやかにHRTの治療を見直さなければいけません。このサイトの更年期障害のところをお読みください。更年期障害をHRT以外のサプリメントで治療することによって、それだけで片頭痛が完治する場合もあります。
また、中学生の5%が片頭痛を患っているという調査もあります。家族に片頭痛がある場合が7割を占めるので、その場合、仮病だと疑わず、正しい診断を専門医にあおいでください。
日本人の頭痛で最も多いタイプです。ストレスによって、肩や首の筋肉の緊張がおこり、それによって引きおこされる持続的な頭痛です。
男女差は、やや女性に多いくらいで片頭痛のような差はありません。痛みの程度は、片頭痛よりも軽く、日常生活を営めないほどひどくはありません。また、前兆、予兆といたものはありません。
頭を締め付けられるような重苦しい痛みで、無理やりにきつい帽子をかぶせられたような痛みと表現する患者さんもいます。
原因が機械的ストレスか精神的ストレスかによって、病院で出される薬は違ってきます。
機械的ストレスであれば、筋弛緩薬の塩酸エペリゾン(ミオナール)、塩酸チザニジン(テルネリン)、塩酸トルペリゾン(ムスカルム、メノパトール)などで、精神的ストレスからであれば、抗不安薬のジアゼパム(セルシン)、ロフラゼプ酸エチル(メイラックス)、抗うつ剤の塩酸アミトリプチン(トリプタノール)、塩酸トラゾトン(デジレル、レスリン)などが処方されます。
しかし、特に抗不安薬や抗うつ剤は極力避けたほうが賢明です(これについては、このサイトのデプレッションのところをお読みください)。
これは片頭痛とちがって圧倒的に男性に多い頭痛です。女性の5倍です。
20~30代の男性が多いのです。一度おこると1~2ヶ月の間、毎日おこり、約1~2時間持続します。その痛みは激烈で、転げまわるような痛さです。
よく、目の奥がえぐられるように痛いと表現されます。痛みのある側に鼻汁がでたり、汗をかいたりすることがあります。原因は不明です。昔はよく三叉神経痛と誤診されたことがありました。
群発頭痛がおきている1~2ヶ月間はアルコールは厳禁です。飲酒後すぐにはおこりませんが、40分~1時間後には必ずおこります。もっとも、アルコールそのものが原因ではないのですが。
したがって、群発期以外は、アルコールを飲んでも頭痛はおこりません。
治療は、酸素吸入やトリプタン系薬剤の注射です。またその点鼻薬も有効です。予防にはカルシウム拮抗剤ベラパミル(ワソラン)です。
以上、三つのタイプの頭痛を簡単に説明しました。ここで、問題は、はたしてこういう頭痛がビタミン、ミネラル、ハーブで治療できるかどうかです。三つ目の群発頭痛は難しいでしょうが、特に片頭痛は昔からさまざまなハーブ治療が行われてきました。
また、CoQ10が片頭痛の予防に役立つという研究もあります(Efficacy of coenzyme Q10 in migranie prophykaxis: a randomized contrilled trial. Neurology. 2005;64(4):713-715)。
最近、マグネシウムが効果があることが証明されてきています。アメリカでは片頭痛にマグネシウムの静脈注射を行う医師もいます。血管が拡張されるので、かえって頭痛を強めるような気がするのですが、非常に効果があります。
また、緊張型頭痛には、精神的ストレス、筋肉のストレスを解消するビタミンやミネラルはいろいろとあります。また、特に緊張型頭痛は、鍼灸や整体で著効を得ることがありますので、積極的にそういった療法をトライするべきです。
片頭痛は食事によって誘発されることがしばしばあります。人工甘味料のアスパラテームで片頭痛がおきることがあります。普通の白砂糖のほうが、少なくとも片頭痛の人は、ずっと安全です。また、味の素の主成分、グルタミン酸ナトリウムも避けてください。
片頭痛の患者さんの30パーセントはアミノ酸のチラミンに感受性があるといわれています。チーズ、鳥のレバー、イチジク、サヤエンドウ、インゲンマメ、ヒマワリの種、ゴマ、ピーナッツなどには多く含まれていますので注意してください。
またチョコレートを食べると片頭痛がおこる場合、それはチョコレートに含有されているフェニルエチルアミンが、災いしているのですちなみに、フェニルエチルアミンは恋をしているときの陶酔感をつくる化学物質です。
チョコレートが特に女性に人気があり、病みつきになってしまうのは、この物質のせいかもしれませんね。