
このがんも日本で急激に増加しています。年間7000人ほどが罹患し、およそ3000人が死亡しています。
30代の女性の場合、がんの死亡は、子宮頸がんと乳がんで約6割を占めます。初期の症状は不正出血が最も多く、また性交時にも出血しやすくなります。おりものが増えることもあります。
初めて性交をした年齢が若いほど、またセックス・パートナーの数が多いほど、子宮頸がんのリスクが高くなるといわれていますが、現実には、晩婚でパートナーが一人に限られる女性もかなりおられますので、注意が必要です。
原因はほぼ100%、HPV(ヒトパピローマウイルス)の持続感染です。--- エイズのHIV(ヒトイミュノデフィシェンスィーウイルス)と間違わないでください。--- HPV感染は、いわゆる性感染症とは異なり、感冒のようなありふれた感染で、外性器付近の皮膚が直接接触することで感染します。
HPVは100種類以上あるといわれていますが、そのうち子宮頸がんを起こすのは数種類です。イボもHPVの一種が原因です。しかし、イボがあるからといって心配しないように。がんをおこすタイプと違いますから。
女性の80パーセントは一生に一度はHPVに感染すると推定されます。しかし、感染しても免疫系がしっかりしているかぎり感染は持続しないのですが、それでも1割の女性は持続感染をおこし、その場合、子宮頸部の細胞に異常な変化を起こします。
それを異形成(がんの前段階)とよびます。この異形成の程度が軽い場合、自然に治ることが多いのですが、徐々にひどくなり、中等度~高度になってくると、いよいよがん化してきます。
軽度異形成の段階であれば、食事に気をつけ(特にキャベツを摂り、ただし、えんえんと大量に摂り続けると甲状腺機能低下をおこしますので注意)、ビタミンA、ビタミンB類、リコピンなどを補えば、自然に治癒されることが多いのです。
また、異形成が進行し、上皮内がんまでになったとしても(5年~10年かかります)、円錐切除術で治癒が可能です。病変の部位を含めて子宮頸部の一部分を円錐状に切除する方法で、レーザーや高周波メスを使うため、15分~30分ですみます。
子宮が保存され、術後、妊娠や出産にも何の影響も及ぼしません。つまり、早期に発見することが極めて大切ながんであり、また、早期発見が100%可能ながんでもあります。ここが、他のがんと違うところです。
旧来はパップテストという細胞診が主体でしたが、最近はHPVウイルスの感染そのものを調べる検査が確立されています。この二つの検査を行うと、ほとんど100%の精度で病変を発見でき、かつ将来のリスクも知ることが可能です。
もし、両方の検査が陰性であれば、3年間は検査の必要はありません。それほど信頼のおける検査なのです。検診システムが確立されれば、近い将来、子宮頸がんは地球上からなくすことも可能でしょう。
ところが、残念ながら日本では子宮頸がんの検診受診率は、特に20代では20%を切り、欧米の80%とは比較できないほど遅れているのです。メタボリックシンドロームのメタボ検診よりずっと急務なはずなのですが、実に惨めな事態なのです(厚生労働省よ、なぜなのでしょうか?)。
そして、ウイルス疾患であるがゆえに、ワクチンで予防が可能なのです。ちなみに、オーストラリアでは12歳の女性には、接種後6年間の有効性が証明されているHPVワクチンの予防接種が義務付けられているくらいなのです。
特に若い女性に子宮頸がんが増えており、人口が激減している日本においては、妊孕性の維持のためにも、いかなる検診業務よりも先に、まず子宮頸がんの検診を奨励しなければなりません。
乳がん検診に喧伝されているマンモグラフィーなど、かえって乳がんの発生率を高めるかもしれないと、海外ではその検査の是非が問題視されています。
それなのに、HPVのDNAを検査する、安全で、確実で、国としても急務な検査がないがしろにされているのは、いったいどういうことなのでしょうか?
かくなるうえは、自分で対策を講じなければいけません。幸い、自分で検査するキットが売られています。Googleあたりで、「HPVウイルス」を検索すればすぐに見つかります。5000円程度です。
まだ、一度も子宮頸がんの検査を受けたことがない人は、受けたほうが賢明です。そして、陽性と出れば、必ず婦人科で再検査してもらってください。
初期の異形成なら、サプリメントと適切な食事で十分に正常な細胞に戻せます。特にキャベツやブロッコリーに含まれている抗がん物質(もちろん副作用はありません)のサプリメントがいいでしょう。