
総コレステロール値220mg/dl以上、あるいは中性脂肪値150mg/dl以上の場合、医者はすぐに抗高脂血症剤を処方します。しかし、日本で一番多く処方されている、HMG-CoA還元酵素阻害薬(いわゆるスタチン系ドラッグ)には深刻な欠点があるのです。
それは体内のCoQ10を枯渇させるという副作用です。CoQ10は心臓を正常に働かせるために非常に重要な補酵素です。ところが、狭心症や心筋梗塞を防ぐために服用している抗高脂血症剤そのものに、心筋に必須の栄養素を枯渇させる作用があるのです。
この事実は心臓病先進国のアメリカでは大半のドクターが知っているにもかかわらず、日本ではあまり知られていません。しかもスタチン系抗高脂血症剤には横紋筋融解症という極めて重大な副作用があるのです。
それについては「私は薬に殺される」福田実著・幻冬社刊、をお読みください。
あなたが40代以上であれば、総コレステロールが250mg/dlくらいでは、特にスタチン系の抗高脂血症剤はのむ必要はまったくありません(280mg/dlでも不要)。
むしろ、そのくらいのコレステロールが適切なのです。がんにもかかりにくいのです。うつ病にもなりにくいのです。
また、LDLが悪玉、HDLが善玉と分けて考えるようですが、とんでもない話で、どちらも体に非常に大切だから存在するのであって、特に日本人の場合、LDLが少々多くても問題はないのです。
また、中性脂肪は150mg/dlを最高として、それ以上は下げる必要があるなど、明確な医学的根拠はありません。むしろ、日本人の場合、総コレステロール、中性脂肪が少ないほど、総死亡率は高いのです。
あなたの血液検査の結果をお送りください。おそらく8割の人は、医薬品の抗高脂血症剤は必要ないでしょう。
もし、下げたほうが適切だと判断された場合(例えば、糖尿病の合併があるとか、過去に心筋梗塞の既往があるとか、あるいは家系的にそういう病気が頻発しているとか)、ビタミンBの一種や、アーユルヴェーダ医学で使われるハーブなどをすすめます。
ただし、「家族性高脂血症」の人で、総コレステロールが350mg/dl、中性脂肪が900mg/dl以上にも達する人(500人に1人ほどの割合)は積極的にHMG-CoA還元酵素阻害薬を服用する必要があります。
参考として、2005年7月16日の毎日新聞からの引用を添えておきます。最初の一行は強調のために、私が赤字にしました。
『梗塞の発症とは無関係:血液中の総コレステロールの値は心筋梗塞(こうそく)を発症する危険性とほとんど関係がないとの調査結果を、青森県立保健大の嵯峨井勝教授(環境保健学)らが15日、東京都内で開かれた日本動脈硬化学会で発表した。
関係するのは血圧や「善玉」と言われるHDLコレステロールの値だった。
嵯峨井教授は「総コレステロールより血圧に注意し禁煙と運動で善玉コレステロールを増やすべきだ」と訴えている。
同学会は、血液1デシリットル中の総コレステロールが220ミリグラム以上を「高コレステロール血症」と定め、心筋梗塞の可能性が高まるとして、喫煙者や45歳以上の男性、55歳以上の女性は220未満に抑えるべきだとの指針を発表している。220以上は全国で2300万人と推定されるが、今回の調査は指針に疑問を呈する形となった。
嵯峨井教授らは、04年度に青森県内で健康診断を受けた40歳以上の男女1491人について、総コレステロール値やHDL、血圧、年齢、性別、喫煙の有無を調査。全国の男女5万人を6年間追跡して心筋梗塞の発症率を調べた別の調査と比較した。
総コレステロールが260程度でも、大半の人の発症率は1%未満にとどまった。180程度でも、喫煙などの影響で同約5%に達する人もおり、総コレステロール値と心筋梗塞の発症率にはほとんど関係がなかった。』