乳がんサプリメント

本当に正しい知識の羅針盤「ドクター牧瀬のサプリメント講座」


がんに対処するためのサプリメント

手術、腸溶性ラクトフェリン、フラックスシード、ノルウェー・トウヒ、メラトニン

これらのサプリメントはあくまで一般化したもので、個々の症状によって違ってきます。したがって、これらのサプリメントを摂られる前に、Dr.牧瀬にメイルを送り(dr@drmakise.com)、量や種類をきいてください。粗悪な製品のサプリメントの摂取、摂取不足、過剰摂取はかえって身体に悪影響をおよぼし、完治を妨げる結果になることが多々あります。

アメリカでは7~8人の女性中1人の割合で乳がんにかかります。たいへんな率です。
日本でも食生活の変化によってじょじょに増えてきており30人に1人ほどです。これも恐るべき数字です。しかし、5年生存率は83.1%(1993~96年度診断)ですから、がんのなかでも前立腺がんと同じく治しやすいがんといえるでしょう。

最近マンモグラフィーによる検診ビジネスが盛んに喧伝されています。
しかし、これもPETと同じように延命率とは何の関係もありません。むしろ、もし乳がんがすでに存在しているなら、かえって転移を促す危険性があります
乳がんは自分でも見つけることができるがんなのです。しこりに気づいたり、鏡の前に立って、左右の違いに少しでも気づいたら、すぐに専門医にかかることがすすめられます。
簡単にマンモグラフィーに頼るより、日々のちょっとした注意を怠らない方がずっと確実なのです。

転移がなく小さなものであれば、迷わず、まず手術です
最近は乳房の形成手術が大変にすすんでいますから、小さな手術痕などきれいに隠せます(患者さんご自身の脂肪を採取して、将来脂肪細胞に成長する未熟な細胞を濃縮して移植するという方法も日本で開発されています)。
それなのに、手術を拒否し、完治するべきはずのがんを完治させないでおくことほどバカバカしいことはありません。また、手術と同時に行われていた再発予防のためのリンパ節郭清も、QOLの見地から徐々に行われなくなってきており、患者さんにとっては負担が少なくなってきています。

ですから、常識を逸脱したビタミン、ミネラルの代替療法は危険です。エストロゲン類似物質を含んでいるザクロジュースを飲みすぎて乳がんを発生させ、死亡した知人がいます(一般的にはザクロはたいへん健康に役立ちます。しかし、それは適量で、つまり日にせいぜい3杯までのことです。
それを日に10杯以上飲むと、まさに過ぎたるは及ばざるがごとしどころか、かえって良くないのです)。また、イソフラボンを含んでいるサプリメントは不用意にとってはかえって危険です

 「国立がんセンター研究所がん情報研究部」が、みそ汁や豆腐、納豆などの大豆食品の摂取量・頻度と乳がん発症率との関連を調べたところ、みそ汁を毎日3杯以上飲む女性は、ほとんど飲まない人よりも、乳がんになる確率が4割少ないということがわかりました(2006年)。

調査開始時に閉経前だった人と閉経後の人とで分けて解析すると、閉経後の人の方が、乳がん予防効果がはっきりしているとのことです。
研究グループは、予防効果は主にイソフラボンによると考察しています。こういう研究から、イソフラボンが乳がんに効果があるとされるのですが、これはあくまで、食品に含まれている適度な量なのです。
ところが、イソフラボンのサプリメントは度を越して大量なのです。再三いいますように、過ぎたるは及ばざる如し以上に、危険なのです。イソフラボンそのもののサプリメントはとらない方が賢明なのです
日本人はアメリカ白人の700倍も普段の食事からイソフラボンを摂取していますから、更年期障害の治療目的など以外は、ことさらイソフラボンが濃縮されたサプリメントをとる必要はないのです。かえって危険です。
特に一度、乳がんにかかった人は、なおさら注意してイソフラボンのサプリメントはとらないようにしてください。
もちろん、みそ汁などはまったく問題ありません。

40歳以上、低い初潮年齢(12歳以下)、高い閉経年齢(55歳以上)、出産を経験していない ---
言い換えれば、エストロゲンに多くさらされた人 ---
が、乳がんを発生しやすいのです。エストロゲンは、主にエストロン、エストラジオール、エストリオールの三つの性ホルモンの複合体ですが、その中でも、エストロン、エストラジオールの比率が高いほど、乳がんにかかりやすいのです。
つまり、エストリオール÷(エストロン+エストラジオール)が小さいほど安全だということです。

アメリカは非常に乳がんの発生率が高い国ですから、乳がんに対する代替療法も、日本とは比較にならないほどすすんでいます。
例えば、ヨードを補うことによって、エストリオール÷(エストロン+エストラジオール)の比率を小さくして、乳がんの発生を防ぐというような治療もあるのです。(乳腺症にもヨードは効果があります)。
日本女性に、欧米の女性と比べて乳がんが少ないのは、味噌汁あたりからワカメやコンブをとり、それらに含まれているヨードをかなりとっているせいかもしれません。
腸溶性ラクトフェリンについては先に詳しく書きましたので省略します。私のクリニックでは、がん患者さんには必ず処方します。

 また、オメガ3系の不飽和脂肪酸、特にDHAやEPAを多く含む魚を食べると乳がんの発生率が下がります。
文部科学省の研究班の調査によると、魚を「週1~2回以下」とあまり食べないグループに比べ、「ほとんど毎日」食べるグループと比べると、乳がんの発生率が43%低かったのです(2004年)。昔から、動物実験ではこのことは確認されていたのですが、ヒトでもそれが証明されたのです。

 また、フラックスシードもいいでしょう。このオイルもオメガ3系の不飽和脂肪酸を多く含むことは何回も書きましたが、「シード」、つまり「種」に含まれているリグナンという物質が特に乳がんの予防にいいのです。リグナンが細胞のエストロゲンのレセプターを奪うからです。
大匙2杯のフラックスシードをコーヒーミルですりつぶして飲んでください。

ノルウェー・トウヒも乳がんに効果があります。
メラトニンはホルモン依存性のがんの予防になります。また、睡眠を深くすることは、非常に大切です。これといった副作用がないので、抗酸化物質としても、毎日とられてもいいでしょう。

その他、少し専門的になりますが、2-ヒドロオキシエストロゲンと16-ヒドロオキシエストロゲン(2/16)の比率を改善することが、乳がん治療にいい結果をもたらします。
それには、インドール-3-カルビノール(I3C)di-indolylmethane (DIM)が非常に効果があります。これらはキャベツ、ブロッコリーなどにたくさん含まれています。しかし、それでも不足する場合は、サプリメントから摂取する方法もあります。まず、最初はDIMをとるのが普通です。

     また、DHEA(デハイドロエピアンドロステロン。DHAではないことに注意)が不足していると、乳がんのリスクが高くなります。その場合はそのサプリメントをとるのがいいのですが、下手にとりすぎてもいけません。
つまり、何々のサプリメントが乳がんに効果的だと、漠然と人から聞いて、自分流にとるのは、かえって危険なのです。

また乳がんの手術をするにあたり、月経と月経のちょうど真ん中あたりの日を選んですれば、再発率が低いというデータがありますので、そういう日に行なったほうがいいでしょう。手術の日を選ぶにあたり、よほど進行しており切迫していないかぎり、一週間ほどのちがいは許容されることができるでしょうし、またそうするにあたり一銭も余分に費用はかからないのですから。

 それと食事ですが特に肉、乳製品は絶対に厳禁です。動物性の脂肪は、副腎で女性ホルモンに変化し、閉経後でさえ、乳がんを再発させることがあるからです。
もっとも、食事からの影響は非常に疑わしいと、未だに頑なに否定している学者も大勢います。しかし、昔、日本には閉経後の乳がんなど滅多になかったのです。骨粗鬆症を防ぐためといって、毎日牛乳を1リットルも飲んでいた、乳がんを再発させた62才の女性を診たことがあります。ナンセンスそのものです。

 ときどきタモキシフェンなどのホルモン製剤の服用について質問を受けますが、エストロゲン受容体の感受性が人によってちがうので、それを考慮してなされるべきです。
そして副作用も十分にあるということを知っておくべきです。その最たるものは、特に更年期に生じがちな不正出血、不規則な月経です。また、血液の凝固性を昂進し、かつ中性脂肪を高めます。肺塞栓もおこしやすくなります。皮肉なことに、人体の他の箇所のがんの発生率を高めます。目の網膜症も惹起しやすくなります。

 1998年10月29日、ついに、アメリカのFDAは乳がんの予防薬としてもタモキシフェンを認可しました。
しかし、このFDAの決断は、薬品会社からの助成金をもらったものたちの研究結果も含まれており、非常に問題の多いものであり、これに反対する医者たちも当のアメリカには大勢いることも知っておくべきです。
また、2年~5年にわたってタモキシフェンを使用すると、最後にはその効力を失い、むしろ乳がんを悪化させるという研究もあります。
したがって、現在の段階で乳がん予防の特効薬と思い、飛びつくのは、いたって早急であるとさえいえそうです。

 一度乳がんにかかり、手術をした数年後に、手術した側の腕が少しでも腫れてくれば、それはほとんど再発を意味しますから、すぐに医者にかかって下さい。また、乳がんの経過はCEA、CA15-3、BCA225といった腫瘍マーカーがいい指標になり、90%ほどの確率で平行しますので、定期的にチェックして下さい。

ここに述べたことは、あくまで一般的な参考としての情報であり、読者が医学知識を増やすための自習の助けになるものであり、それを越えるものではありません。 また、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに書かれてあるサプリメントをとったり、治療法を行い、症状が悪化しても、いっさい責任はとれません。

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