
f)善玉腸内細菌
まず、腸は最大の免疫器官だということを認識してください。
小腸の内側には小さな毛のような絨毛とよばれる突起が密集していますが、その間隙にパッチワークのようにパエイル板という器官が点在します。パイエル板はリンパ小節の集合体で、いわば免疫系をコントロールする一つの司令塔のような役割を果たしています。
また、小腸の上皮には腸管固有リンパ球が、上皮細胞5~6個につき1個ほど存在し、その数はすべての免疫系細胞の60%にのぼるといわれています。その他、粘膜固有層の粘膜固有リンパ球、そしてこれらの組織の下に、クリプトパッチと呼ばれる未分化リンパ球が集積する小リンパ組織が最近日本人によって発見されました。
ここでは腸管独特のT細胞がつくられています。したがって、腸の働きを健全にたもつことは、免疫を高めがんの治療に非常に役立つのです。
また、腸は第二の脳とよばれるくらい、脳と密接に関係があります。
長さは日本人の大人の場合6~7メートルもあり、広げるとテニスコート1面分の面積があります。そこに存在する神経細胞の数は1億個で、脳以外に散在する神経細胞の約50%は腸に集まっているのです。
つまり、脳は腸とともに、精神的ストレス、情緒、睡眠などを共同でコントロールしているわけです。したがって、過度な精神的ストレス、情緒不安定などで悪化するがんには腸の働きを整えることは非常に大切なことなのです。脳と腸の働きをここで詳述できませんが、私が知っている顕著な例では、斜視ですら善玉腸内細菌で腸を整えるだけで完治したことがあるくらいです。
そして、善玉腸内細菌は糖質を分解し、酢酸といった酸をつくります。これは腸の蠕動運動を促し便秘を解消する働きがあります。また腸の栄養になり、腸の細胞増殖を助長します。
それに腸管が酸性になるとウェルシュ菌などの悪玉腸内細菌が減ります。悪玉腸内細菌はインドールなどの有害物質を産生し、それらは腸壁から吸収されて、がんを悪化させます。
そこで、ヨーグルトをたくさん食べましょうとなるのですが、あまりにも数多い種類があり、いったいどのヨーグルトをどれだけ食べればいいかまったくわかりません。
また、食べたとしてもいったいどんな種類の善玉菌が、実際にどのくらい腸まで届くのか皆目検討がつかないのです。腸内細菌の種類は100以上あるのです。
したがって、サプリメントからとるほうがずっと確実です。
しかし、これも裸のままの善玉菌をいくらとったところで、胃酸で殺されてしまいます。腸溶性ラクトフェリンと同じように、コーティングされていなければいけないのです。製品を選ぶときに注意してください。このコーティングの技術は日本が最高です。アメリカ製でもよく調べてみると、日本とライセンス契約を結んでつくっているのがあります。
うつ病のところにも書いているのですが、問題は、数多くの腸内細菌のサプリメントから、最も適切なものを選ぶということなのですが、これは各個人によって、腸内細菌叢(フローラ)がまちまちなので、これこれのサプリメントが最高にいいという決定的なことはいえないのです。
つまり、とってみて、腸の調子がよれば、そのサプリメントがいいのです。試行錯誤しかありません。しかし、試行錯誤する価値は十分にあります。
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