糖尿病

本当に正しい知識の羅針盤「ドクター牧瀬のサプリメント講座」


糖尿病

糖尿病 その4

《糖尿病を改善するその他の工夫》

  • :スウェーデンでの研究で、ピックルを炭水化物と一緒にとると、血糖が急に上昇しないことがわかりました。
    何がそういういい結果を生むかと分析したところ、「酢」が作用していたのです。そこで、「酢」だけを食前にとってもらうと、同じような結果が得られたのです。ですから、サラダのドレッシングなどにも、積極的に酢を使ってください。


  • シナモン(肉桂):たった1グラムでけっこうですから、シナモンを紅茶かコーヒーにでも入れ、毎日のんでください。
    昔から、シナモンは糖尿病にいいと言われていたのですが、プラセーボ(偽薬)をつかった治験で確認されています。シナモンの中に含まれているポリフェノールの一種、メチルヒドロキシカルコンポリマーmethylhydroxy chalcone polymer (MHCP) が脂肪細胞における糖代謝を20倍にもするためです。
    しかし、セイロン製のシナモンにしてください。他の国でとれたシナモンにはクマリンが大量に含まれており、とりすぎると肝臓に良くないからです。シナモンと似たものにカシアという香辛料がありますが(ひんぱんにシナモンと混同されています)、特にベトナム製と中国製のカシアはとらないほうがいいでしょう。
    何らかの理由でシナモンがとれない場合、そのサプリメントも売られています。Enhanced Cinnulin PFというのがいいでしょう。インターネットで探してください。

  • 桑の葉茶:このお茶はむかしから糖尿病に効くということで愛飲されてきました。桑の葉にしか発見されていないDNJ(1ーデオキシノジリマイシン)という物質がポイントとなります。
    小腸から澱粉や糖質が吸収されるときに、それらはαーグルコシダーゼという酵素の作用によってグルコースに分解されますが、その作用をDNJは阻害するのです。普通の乾燥した桑の葉の0.1%の重量でDNJは含有されています。お茶としてのんでもいいでしょう。玄米茶に似た味がします。

     また、蚕はもっぱら桑の葉を食べて生きていますから、このDNJが濃縮したかたちで体内に蓄積されているといわれています。
    したがって、蚕を粉末にして食べるともっと効果的です。一般的ではないのですが、それも現在、通信販売で入手できます。また最近はこの桑の葉に、青梅や赤紫蘇を組合せた製品も出ています。また、桑の葉には、カルシウムが牛乳の27倍も含まれていますので、骨粗鬆対策にもいいのです。


  • バナバ茶:バナバは東南アジア、オーストラリア北部の熱帯・亜熱帯に自生する広葉樹で、フィリピンでは「女王も手の届かぬ神木」といわれ、千年以上も昔から、葉は煎じられ、お茶として飲まれていました。
    その有効成分はコロソリン酸で血糖値を下げる作用が認められています。しかし、血糖値の低い人や正常の人が飲んでも血糖値には影響しません。亜鉛、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどの糖尿病に欠かすことのできないミネラルを豊富に含んでいます。
    また、メラニンを作り出すチロシナーゼの活性を阻害し、メラニンの生成を抑えますので、美白効果もあります。

  • ウコン:この香辛料はインスリンの分泌を促してくれます。ときどき、カレーを食べようということです。

  • タマネギ:タマネギは古代から糖尿病に効くと伝承されていますし、また現在、実験的にもその効果は確認されています。生でも、料理されたものでも効果はあまりちがいません。


  • 牛乳に注意:もし糖尿病家系であれば、赤ちゃんには牛乳は与えないほうが賢明です。一種の食物アレルギーによって、若年性糖尿病(いわゆるⅠ型糖尿病)を引き起こす確率が高くなります。必ず母乳にして下さい。


  • 野菜はゆがいて:化学肥料を使って栽培された野菜には大量の硝酸塩が含まれています。硝酸塩はインスリンを分泌する膵臓のβ細胞を破壊するのです。
    野菜や果物はすべからく有機栽培にされたものに限るのですが、実生活で有機栽培された野菜を入手することはけっこうむつかしいことがあります。
    また、値段も高くなります。そういう場合、ゆがけば、多少なりとも硝酸塩は少なくなります。ゆがくことによって減ずるビタミン類の効能と、硝酸塩の危険性が減ずることを比べると、後者の方が健康にはよほど大事なのです。
    また、ゆがけば、生のときより、ずっと多く野菜をとることができます。5000年の歴史をもつ中華料理には生野菜と生卵はありません。それらがアジア人の体には合わないことが熟知されているのです。


  • 笑い:笑うことです。笑いは食後の血糖上昇を抑えます。

  • 運動:これは最初にもってくるべき、最重要な事項だったでしょう。自分が楽しく行える 運動をみつけ、可能なかぎり持続することです。歯を食いしばって、いやいやながら行っても、ストレスがかかるばかりで、かえって糖尿病を悪化させます。
  • マゴットセラピー:もし、あなたの糖尿病が悪化し、壊疽までおこしている状態であれば、マゴットセラピーという、蛆(ウジ)を使った治療も考慮してみるべきです。壊疽による切断を免れることができるかもしれません。痛みも副作用もほとんどありません。この治療で、約、8割の患者さんが切断を免れています。おそらく、古代では普通に行われたいたはずです。Maggotとは英語で蛆のことです。「マゴットセラピー」で検索してください。いっぱい情報が得られます。

    「注意事項」
  • アルブミンが尿に出ていないかどうかチェックしましょう。
    なんども書きますが、糖尿病それ自体では命を落としません。合併症が怖いのです。その最たるものが、腎臓がやられることです。患者さんの中には自覚症状ないので、糖尿病であることが見つかった段階で、かなり腎機能の落ちていることがあります。これの簡単な検査が、尿アルブミンの検査です。

  • 肥満体でなくても、あるいは成人でなくても、要注意
    日本人の糖尿病患者さんの5%弱は、インスリン依存型糖尿病(insulin dependent diabetes mellitus IDDM 1型糖尿病)で、多くは若くして発症しますから、若年型糖尿病ともよばれたこともあります。
    このタイプは15才以下で、突然発症し急激に悪化することが多く、診断を誤った場合は死に至ることがあります。腹痛が主訴のこともあり、十分に注意が必要です。
    また最初は全身の倦怠感、食欲不振といったていどの漠然とした症状で始まり、風邪かなと考えていたのが、次第に口渇、多飲、多尿、体重減少が顕著になり、来院することもあります。
    糖尿病は太った中年オジサン、オバサンがかかるものという固定観念は危険です。0才の赤ちゃんでも発症します。インスリン非依存型糖尿病(今まで述べてきたⅡ型糖尿病)とは原因をまったく異にしており、一種の自己免疫疾患であろうというのが最近の考え方です。
    また、コクサッキーB4ウイルス、麻疹や風疹のウイルス、サイトメガロウイルスといったウイルスが引き金となっているとも考えられています。


  • 二次性の糖尿に注意:他の疾患から二次的にひきおこされる糖尿病にも気をつけて下さい。
    早期の膵臓がん、特に膵臓の体部…真ん中付近…にできたがんの場合、その10%に糖尿病が合併するといわれています。
    その他、膵臓炎、肝炎、肝硬変、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、末端肥大症、薬物でも二次性の糖尿病を生じることがありますので、注意し下さい。
    いずれにせよ、頻繁に尿を検査して糖が出ていないかチェックすることです。痛くも痒くもなく、自宅でただ同然の安価できる検査ですから、やらない手はないはずです。


  • 糖尿病性昏睡
    これは非常に危険な状態ですから、やや専門的になりますが、糖尿病患者さん、ならびにその家族は、こういう危険性があるということを十分理解しておくべきです。知っておくのと、知らないのでは、雲泥の差があります。
    4つのタイプがあります。

    • 低血糖性昏睡
      b)~d)とは治療をまったく異にします。治療のために、インスリンや血糖降下剤を使用しているときにみられます。
      読んで字のごとく、血糖が必要以上に低くなったときにおこり、脱力感、冷や汗、顔面蒼白、手足のふるえ、動悸、頻脈などの症状をていします。
      患者さんは常にキャンディや甘いものをもっているように指導されているはずです。普通は、これが最も多いのです。


    • 糖尿病性ケトアシドーシス性昏睡
      インスリン依存型糖尿病の患者さんが何らかの理由で突然インスリンの投与を中止したり、あるはインスリン非依存型糖尿病(2型糖尿病)の患者さんが暴飲暴食をしたり感染症にかかったときにおこります。
      a)の低血糖性昏睡とはまったく逆の、インスリン作用の極度の不足によって生じます。そのため、
      ①肝臓に貯えられていたグリコーゲンが分解し、血糖値が上昇します。そのため、腎臓から水、ナトリウム、カリウム、リンなどの過剰な喪失がおこり、循環血液量低下、血圧低下をきたします。
      ②また、体の脂肪が脂肪酸とグリセロールに分解され、血中に放出され、それらは肝臓に集まり、肝臓の脂肪酸の濃度が上昇します。
      過剰の脂肪酸は、アシルCoA →アセトアセチルCoA→アセトン、アセト酢酸 →βーハイドロオキシ酪酸と代謝されていきます。
      アセトン、アセト酢酸、βーハイドロオキシ酪酸、の三つを総称してケトン体とよびます。このケトン体が血中に上昇しておこり、血液を酸性に傾けることをケトアシドーシスとよびます。

       以上、①、②が同時におこり、昏睡状態をひきおこすわけです。症状としては、急激な口渇、皮膚の乾燥、吐く息にアセトンの臭いと頻回で深い呼吸(Kussmaulの大呼吸と呼びます)、血圧低下、ショックなどです。
      適切な処置が施されれば必ず回復しますが(死亡率1%以下)、最初の診断を誤ると死に至ることがあります。


    • 非ケトン性高浸透圧性糖尿病性昏睡
       高齢者のインスリン非依存型糖尿病患者さんがかかることが最も多いタイプです。
      高血圧のためにサイアザイド系降圧利尿薬を服用しているときや、リウマチなどでステロイドを投与されているときにおこりやすいので、特に注意してください。
      膵炎、心筋梗塞、腎障害、感染症、手術、暴飲暴食が引き金となることもあります。
      インスリンのレベルはある程度保たれているため、ケトン体は生成されません。しかし血糖値は上昇しますので、血漿浸透圧が上がり、特にひどい脱水状態になります。
      そのため、強度の 口渇をおぼえ多飲となり、また多尿もきたします。倦怠、悪心、嘔吐、腹痛、吐血、昏 睡と多彩な症状を呈しますが、糖尿病性ケトアシドーシス性昏睡のときに見られる、アセトン臭を伴った回数の多い深い呼吸はみられません。


    • 乳酸アシドーシスによる昏睡
       これは糖尿病以外でもおこるのですが、特に血糖降下剤であるビグアナイド剤の副作用でおこることがあります。
      最近はこの薬はほとんど使われなくなっていますがもし商品名でグリナビン、クレボホルミン、ジベストB、ジベトンS、ブフォルマイドなどを服用しているときは、特に注意して下さい。
      激しい倦怠感、脱力感、悪心、嘔吐、腹痛、それにKussmaulの大呼吸が主な症状です。

      《教科書に載っていないこと》
      最後に、どんな教科書にも載っていていないことを一つ書いておきましょう。
      糖尿病患者さんには皮膚の白い人が奇妙に多いのです。男性でもしっとりとしたきめの細かい女性のように白い肌をした人がいます。
      糖尿病とどういう因果関係があるかわかりませんが、事実そうなのです。
      もっとも、皮膚が白いからといって必ず糖尿病だというのではありません。また色黒の糖尿病患者さんも大勢います。
      しかし、厳密に統計をとったわけではないのですが、印象として、色白の人にどういうわけか多いのです。
      これは昔、私が日本生命相互保険会社で健康診断のアルバイトをしていたときに、そこの会社の社医をしていた先生から教わったのです。その先生は30年近く、保険加入のために健康診断をするお客さんを診ておられたのですが、その長い経験から、色白の人には糖尿病が多いと結論されたのです。

       それ以来私は、肥満体で女性のように白い男性患者さんに対しては、他の疾患で来院された場合でも、必ず糖尿病を念頭において、その点からも診察するように心掛けています。
      そして、よくそれが当たり、やっぱりという例が多いのです。もしこのサイトを読まれている人で、両親、兄弟姉妹に糖尿病の人がいて、色白であれば、まず糖尿病の可能性を疑ってみるのが賢明です。
      糖尿病は日本人より白色人種のほうにずっと多いのです。糖尿病の遺伝子が、いつのまにか外国から入ってきたのかもしれません。何という作品だったか忘れましたが、平安朝時代のものを読んでいると、糖尿病そっくりの症状をていする描写があり、そのころから糖尿病の遺伝子は日本にすでに存在していたことがわかります。
      しかし、ひょっとすると、縄文時代ほど昔にさかのぼれば、日本人には糖尿病はなかったのかもしれません。こういう視点から、日本人の由来を研究してもきっと面白いものと思われます。
      ちなみに65~74才のアメリカ人のうち白人ではその17%(6人に1人)、黒人では25%(4人に1人)、ヒスパニック系では33%(3人に1人!)、そして特に頻度の高いのがアメリカン・インディアンで、ピマ族にあっては成人のちょうど半分(!)がⅡ型の糖尿病だそうです。
      アメリカン・インディアンの祖先はベーリング海峡が陸続きだったころにアジアから移動したモンゴロイドだとされていますが、そうであるなら、われわれ日本人もやがて、人口の半分が糖尿病を発症するという恐ろしい事態がおこるかもしれません。しかし、私としては、こと糖尿病に関してはかなり楽観的です。それは次の理由によります。

      《糖尿病はやがて過去の病気となる》
      2005年9月、科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー電子版に、岡山大学などのグループがインスリンを分泌する膵臓のβ細胞を大量につくる技術の開発に成功したことを発表しました。
      数年後には、ひょっとするとインスリンの注射は必要でなくなるかもしれません。
      また、2007年11月には、京都大学でついにヒトの成人の皮膚からiPS細胞がつくられました。
      自分のDNAとまったく同じDNAをもった膵臓をつくり、移植することが可能になるはずです。
      したがって、10~15年以内には、糖尿病は過去の病気となることでしょう。
      それまで、十分なビタミンやミネラルを補い、失明、透析、下肢切断など末期的な事態に至らないようにしてください。


ここに述べたことは、あくまで一般的な参考としての情報であり、読者が医学知識を増やすための自習の助けになるものであり、それを越えるものではありません。 また、ご自分の症状を正確に把握せず、ここに書かれてあるサプリメントをとったり、治療法を行い、症状が悪化しても、いっさい責任はとれません。

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