
《高血圧に対処するサプリメント》
以上、1)~8)までが非常に重要ですが、以下のサプリメントも役に立ちます。
CoQ10:このサプリメントは、その機序はまだよく解明されていませんが、本態性高血圧の血圧を確実に下げてくれます。
高血圧対策としては、一日30~60ミリグラムは必要です。また夕刻、服用するとエネルギーが充実しすぎて、眠れない人がまれにいます。したがって、午後5時以降はとらないほうがいいようです。また、非常にまれですが、不整脈をおこす人もいます。その時は止めてください。また還元型(ユビキノール)のCoQ10にしてください。
もし、あなたがスタチン系の高脂血症用の薬、たとえば、メバロチン、リポバス、ローコール、リピトール、リバロなどを服用中であれば、CoQ10は必須です。しかも、かなり多めに。つまり、200~400mg/日。なぜなら、そういう薬を摂ると心臓に最も重要なCoQ10が枯渇するからです。しかも、降圧剤とこの高脂血症剤はよく併用されているのです。これは、本来、そういう薬の組み合わせを処方する内科医が注意すべきものなのです。しかし、それを怠っているのですから、患者さんが自衛するしかありません。
タウリン:アミノエチルスルホン酸とも呼ばれるアミノ酸です。細胞膜に働き、細胞内のカリウムとマグネシウムをバランスよく保ち、過剰のナトリウムを細胞外に排泄させます。この作用は医者たちから処方される、いわゆる抗利尿剤の原理と同じです。このサイトを読まれている人の中には、朝一錠のみなさいと白い錠剤を渡された患者さんがきっとおられるはずです。その多くがラシックスです。この降圧利尿剤は先に述べたようにいろいろな副作用がありますが、タウリンは作用機序としてはラシックスと同じですが、副作用なしで降圧の効果を現してくれます。
タウリンは単に抗利尿剤の役目を果たすだけでなく、交感神経の興奮を抑えることにょっても血圧を下げでくれます。こういった降圧作用があるばかりでなく、タウリンには心筋そのものを強めてくれる効果や、マグネシウムと一緒になって不整脈を整えてくれる作用ももっています。また、てんかんの予防的作用もあります。特にビタミンB6といっしょにとれば効果的です。その他、コレステロールの調整、免疫機能を高めたり、血糖値の安定化にも有効に働き、日本ではかなりよく研究されているので、まだ簡単に入手できるサプリメントとしては売られていません。
これを多く含んでいるのは、海鼠(ナマコ)、蛸、烏賊、栄螺、蟹、蛤、蜆、海老、鳥貝、牡蛎、浅蜊、赤貝といった海の幸です。特に海鼠の酢の物はカルシウムも同時にふんだんにとれ、非常によろしいというわけです。(ちなみに、私は海鼠が大好物で、日本海鼠協会をつくりたいほどです。海外に出ていちばんつらいのはこの海鼠を食べることができないことです。これを最初に食べた人はじつに偉い。海の鼠とはよく漢字をあてたものです。英語ではsea cucumber、海のきゅうりと呼んでいるようですが、海の鼠のほうがより真実に近い。あの気持ちの悪い見てくれと触り具合にもかかわらず、果敢に挑戦した気概と勇気は史書に記されるべきものなのですが、残っていない。いったいどこの誰だったのでしょうか。数百億光年向こうの新しい惑星を一つ発見するより、海鼠が食えると発見したほうがよほど人類に役立つといえば天文学愛好者から非難が殺到するでしょうか? 最近、海鼠がリウマチに効くということで、ニュージーランド沖の海鼠から、抗リウマチ剤ができています。いつか〈海鼠健康法〉という本を書こうと思っています)。
イワシ抽出ペプチド:アンギオテンシン変換酵素の働きを阻害し、昇圧作用のあるアンギオテンシンⅡを少なくすることによっ
て、穏やかな降圧作用を示します。したがって、5)で述べたビタミンDと同じことです。このサプリメントは高血圧だけでなく、
低血圧も改善してくれます。ただし、鉄の吸収を良くしますから、血清フェリチンが高い人はとらないでください(動脈硬化・狭
心症・心筋梗塞のところを参照してください)。
イチョウの葉エキス 100~150mg/日:ほそい血管や毛細血管などを丈夫にし、そこに血液が流れやすくなりますから、
高血圧対策には必要です。また、体のすみずみまで、サプリメントをいきわたらせてくれます。
ニンニク:非常に多くの研究が、この大昔から私たちの食卓にのぼっている食物についてなされ、血圧を下げ、コレステロー
ルも下げ、しかも免疫の力も上げることが知られています。ロシアではにんにくのことをロシアン・ペニシリンとまでよんでいま
す。細菌を殺す力もあるのです。臭いがたまらないので、カプセルに入った無臭のものがどこの薬局にでも売られています。
是非、補ってほしいものです。しかし、毎日はとらないほうがいいでしょう。週に3回ほどが適切です。
ロキソニンパップあるいはロキソニンテープ:これは消炎鎮痛薬のロキソプロフェン(ロキソニン)を皮膚から吸収させるた
めの湿布です。高血圧の人はひどい肩こりに悩まされていることが多いものです。また、肩こり自体が高血圧をもたらすこと
があります。毎日、肩をマッサージしてもらえる幸運な人はそんなに多くはいないでしょうから、こういうハップやテープで肩
こりを和らげるのも、実際的です。
《ストレス》
体にいいわけはありませんが、ストレスのない生活など、よほど恵まれた人たち以外は、まずありえません。それにまったくストレスのない生活は脳の働きを鈍くして、かえってよくありません。人間にはある程度のストレスは必要なのです。ストレスが限りなく「0」に近い状態に人間の脳が置かれると、脳は自ら刺激を求めて、人体の各所にがんをつくりだすという学説さえあるくらいです。
と、いっても、現代の生活は過剰なストレスに満ち満ちています。そして当然、過剰なストレス、特に精神的ストレスは血圧に決定的によくありません。しかし、わかっていても、現実の生活から逃避して、タヒチかモーリシャスの浜辺でごろんと一ヵ月あまり寝そべっていることはできません。しかし、医師から処方される精神安定剤は、普通の健康オタクにはちょっと効き目がきつ過ぎるようです。
そこで、どうしてもストレスに対処できそうにない患者さんたちは、特にビタミンB群、ビタミンB12(ビタミンB群のサプリメントの中に当然ビタミンB12も含まれていますが、さらにビタミンB12も単独で補うことをすすめます)、ビタミンC、それに時々、カヴァ、ヴァレリアンなども補われたれいいでしょう。そして、眠りが浅い場合は、セディトールやメラトニンも考慮されたらいいでしょう(不眠症のところを参照してください)。ゆめゆめ副作用の多い精神安定剤などは使わないことです。
《飲酒》
ほどほどにというのが、当たり障りのない答えですが、では具体的にほどほどとはいったいどのくらいなのかと、しつこく食い下がる患者さんのために(こういう患者さんは飲みたくて仕方がないのです!)、きっちりと数字を示しておきましょう。
一週間でエタノール200ミリリットル以内。例えば、ビール大ビン633ミリリットルには、その5%、つまり約30ミリリットルのエタノールが含まれています。したがって、200ミリリットル÷30ミリリットル=7。
つまり、一日、ビール大ビン一本ということです。少し厳しすぎるかな!?
《運動》
これも適度な運動という表現で曖昧にごまかすのが多くの医者ですが、常に偏執狂的なまでに厳密な量を追求してやま
ない健康オタクとジャンキーのために、書いておきましょう。時速6~7キロメータ(速歩きの速度)、週に3回、45分間で
す。しかし、それがきついと感じられるのであれば、速歩きでなくてけっこうです。普通の速度で十分です。
ふくらはぎは第二の心臓ともよばれています。脚を鍛えることは高血圧対策になるのです。自宅で簡単にふくらはぎを鍛
える器具も売っています。「ふくらはぎ運動」でGoogleあたりで検索してください。安価な製品がいっぱいでてきます。
また、無理な筋肉トレーニングは絶対に止めてください。ジムでウエイトリフティングなどはもってのほかです。瞬間的に過
大な力をかけて、脳の血管が破れてしまい、半身不随になり、しかも言語障害まで残った患者さんを身近に見ています。
《喫煙》
これだけは、是非お止めになるべきです。上腕血圧(つまり、腕ではかる普通の血圧)が正常でも、喫煙者は中心血圧(大動脈起始部の血圧)が高いのです。それは、循環器疾患のリスクになります。タバコを吸っていても、血圧は正常だと、たかをくくっていては、命取りになるのです。さらに、禁煙を実行しても、5年後にやっと、中心血圧は有意に低下するのです。それほど、禁煙は循環器系に悪影響を及ぼします。コレステロールを下げるよりも、禁煙を実行した方がよほどリスクは低くなるのです。
《高血圧のときの医師のかかりかた》
医師あるいは看護婦が一度血圧を計っただけで、詳しい問診もせず、「降圧剤をのんだほうがいいですね」といったら、すぐに「どうも、先生ありがとうございました」といって、診察料も払わず出ていきたいものです。特に背中の腰のあたりの聴診と触診を怠る医師がいますが、要注意です。腎血管性の高血圧を見逃すことになります。腎動脈の狭窄や閉塞による高血圧です。全高血圧患者の約1%といわれていますが、本当は5%くらいはいると推測されます。単に、見逃されているだけです。
あなたが、35歳以下で高血圧で、しかも高血圧の家族歴がなければ、このタイプの高血圧も考慮しておいてください。あなたが、覚えておくのですよ! 3分間診療で終わる医者は、腎血管性高血圧など頭にないのです。あなたが医者に、「腎血管性高血圧の可能性はないでしょうか?」とたずねるのです。20~40代の女性であれば、「線維筋性異形性」による腎血管性高血圧も考慮してください。また、大動脈炎症候群の場合もそうです。
《降圧剤について》
この章を読まれている人のなかには、もうすでに降圧剤を服用されている人がおられるはずです。しかし、すべての降圧剤には深刻な副作用があることを決して忘れてはいけません。たとえば日常特によく処方されるアダラート、ヘルベッサーといったカルシウム拮抗剤は、ぼけを誘発します。最近、どうも頭の回転が鈍くなってきたなと感じる人は、服用している降圧剤の種類を医師から聞きただして下さい。
また、なかには二種類以上の降圧剤を併用されている人もいるかもしれません。そういった人のために組合せの禁忌を書いておきます。超多忙の開業医の中には、併用して出しては危険なことがあることを知っていても、うっかり気づけないこともあるからです。
ACE阻害剤(インヒベース、レニベース、カプトリルなど)と、スピロノラクトン(アルダクトンA)の組合せ。ACE阻害剤(インヒベース、レニベース、カプトリルなど)と六味丸。βーブロッカー(インデラール、カルデナリン)と、ヘルベッサーなど。またもし喫煙の習慣があるなら、βーブロッカーは服用してはいけません。またインスリンを使用中も、βーブロッカーは禁忌です。気管支喘息、閉塞性動脈硬化症にも、βーブロッカーは禁忌です。フルイトランは、膵炎(酒飲みに多い病気です)、副甲状腺機能亢進症(高カルシウム血症)には禁忌です。
それから特に健康オタクの人で、ビタミンCは生からとるべきだとして、グレープフルーツジュースをのんでいる人は次のことに厳重に注意して下さい。他のジュースはかまいません)。グレープフルーツに含まれている数種類のフラボノイドの特殊な組み合わせは、カルシウム拮抗剤のフェロジピン(スプレンジール、ムノバール)の血中濃度を急激に三倍にし、狭心症や心筋梗塞をおこす可能性があります。
また、抗ヒスタミン剤のテルフェナジン(トリルダン)の代謝に影響を与え、不整脈を惹起させることがあります。
たったグラス二杯のグレープフルーツジュースですら、これらの薬の組合せで、死に至ることがあります。つまり、高血圧、喘息、じんましん、アレルギー性鼻炎などで薬を服用している人は、グレープフルーツには手をださないことです。
それと、注意しておくべきことは、すべての降圧剤にはビタミンやミネラル不足を惹起するという副作用があるということです。したがって長期にわたって降圧剤を服用している人は、ことさらビタミン、ミネラルのサプリメントが必要となるのです。
ループ降圧利尿剤(ラシックスなど)は、ビタミンB1 、B6 、C、マグネシウム、カルシウム、 カリウム、亜鉛。サイアザイド系降圧利尿剤はCo Q10、マグネシウム、カリウム、亜鉛。βーブロッカーはCo Q10。カリウム保持性降圧剤は葉酸、カルシウム、亜鉛の不足をおこします。
したがってもしあなたがこういった降圧剤を服用しているのであれば、積極的にサプリメントをとる必要があります。今、ご自分が服用されている薬がどの種類に入るか調べられて、…本屋に行かれれば、家庭医学書コーナーで、薬の名前が簡単にわかるしろうと向けにかかれた本が、必ず数冊並んでいます…、例えば、カリウム保持性降圧剤であれば、葉酸とカルシウムと亜鉛をとるというように対処して下さい。普通、医師はそこまで教えてくれません。二週間に一度来院させ、看護婦に血圧を計らせ、「○○さん、今日は、血圧はいいようですね。この調子で、塩分をひかえて下さいよ。はい、お大事に」といって、相変わらず同じ降圧剤を出し続けるのが関の山です。こんな指導なら、だれにだってできます。わざわざ6年かけて医学を勉強する必要なんぞ毛頭ありません。こんな診療で健康保険から、つまり私たちの税金から金をえているわけで、はっきりいって税金泥棒です。
また、特に頻繁に処方され、しかも数年にわたって服用される降圧利尿剤は、腎臓の尿細管に毒性をもっているばかりでなく、副作用として、糖尿病、痛風をきたしやすく、カリウムを過剰に排泄させるため不整脈もおこりがちになります。腎がんも惹起する可能性があり、心不全の治療に短期間使用されるのはいいかもしれませんが、決して長期にわたって服用してはなりません。
降圧利尿剤を服用している高血圧患者さんは、それらを服用していない患者さんと比べて2倍の率で突然死に襲われるということです。
もし、糖尿病を合併しているのなら、降圧利尿剤は血中のブドウ糖値を増加させ、わずかなブドウ糖値の変化に敏感になっている糖尿病をさらに悪化させる結果になってしまいますので、厳重に注意して投与されるべきです。
また、特にサイアザイド系の降圧利尿剤はマグネシウムの欠乏を促すことによってインスリンの抵抗性を増加させ、血管の収縮を促し、血栓もおこしやすくします。漫然だらりと二週間おきにだされる薬ではないのです。
また、特に肝硬変のある人は、降圧利尿剤はときとして急激な利尿により肝血流を下げてしまい、肝性昏睡をきたすおそれがありますから、慎重に対処して下さい。
《その他の注意》
まずそれが本態性高血圧(つまり、これといって明確な原因がなくて高い血圧)か、あるいは他の疾患から由来して血圧が高くなっている(二次性高血圧)かが、鑑別されなければいけませんそれと医者や看護婦に計られると血圧が高くなる、いわゆる白衣高血圧症も除外しなくてはいけません。
人によっては30mmHgも40mmHgもちがってくることがあります。特にこわそうなドクターや、美人看護婦に計られる場合そうです。以上
のことを考慮し、日を変えて二回以上測定して、それで初めて本態性高血圧と診断できるわけです。他の病気から二次性におこってくる高血圧には十分注意してください。
特に腎臓系統の病気(糸球体腎炎、糖尿病性腎炎、痛風腎)、それと数は非常に少ないのですが内分泌性の病気(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫)です。こういう高血圧の基礎となる疾患がある場合は、サプリメントをとる前に必ず医師と相談してください。
褐色細胞腫の患者さんを診ましたので、簡単につけ加えておきます。高血圧症の患者さん1000人に1人の割合で存在すると言われています。発作的に急激に血圧があがり、激しい動悸や、不安感に襲われます。20代後半の女性で、自律神経失調症ということで、ろくな治療を受けていませんでした。血圧があがったときは、顔面蒼白となり、額から汗が流れ落ちてきたと言います。しかし、あまりにしばしばそういう症状がおこるので、精査したところ、CTで副腎に腫瘍が見つかり、尿の中のカテコールアミンなどを調べ、褐色細胞腫と確定診断されたそうです。
腫瘍そのものはがんではなく良性なので(しかし10%ほどは悪性)、外科的に切除すればすみやかに完治します。
自律神経失調症や心身症と診断されても、患者さんのほうからドクターにしつこく迫って、いろいろ精査してくれと頼んだほうがいいかもしれません。特に早朝に頭痛がおきるときは、いちおう、褐色細胞腫の可能性も考慮してください。
また、パニック障害と診療内科や精神科で誤診されている例も、存在するはずです。
この褐色細胞種はおよそ3000例くらいと言われていますが、原発性アルドステロン症は、非常に多く、推定400万人ほどです。したがって本態性高血圧と誤診されている例がかなりあります。かなり突発性に高血圧となり、160/100 mmHg以上、降圧剤を服用しても130/85mmHg以下には下がらない、血液検査でカリウムの値が低い、というようなことがあれば、一応、原発性アルドステロン症も疑ってください。
これも、ほとんどが良性で、手術(しかも腹腔鏡下副腎摘出術で、開腹の必要がありません)で簡単に完治します。要は、医者がそれに気づくか気づかないかです。
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