遺伝子レベルで現在はっきりと解明されている老化のメカニズム(の一つといったほうが無難かもしれませんが)は、テロメアの短縮です。

各細胞の染色体の両端には、数千個のDNA塩基と…TTAGGG(T2AG3)という配列が1000回あまり繰り返されています…それに付随したタンパク質からできているテロメアというクローバーのような形をしたものがくっついています。

そのテロメアが時計の役目を果たしているのです。細胞分裂を繰り返すうちに、テロメアが徐々に短くなり、もう分裂停止の時間が来たという情報を流し、やがて細胞は分裂しなくなり、老い、死に至るわけです。

しかし、テロメラーゼという酵素がこのテロメアの長さを再び延ばすことができます。そしてテロメアの長さがもとのように長くなれば、細胞は分裂を繰り返し、新しい細胞が生まれ、永遠に老いないでいることができるのです。

ぼくたちの体の中にあるほとんどの細胞は、このテロメラーゼを産生させる遺伝子をもっているのですが、残念ながらオフの位置にあり、テロメアを再び長くはしてくれないのです。

しかしテロメアとテロメラーゼをうまく操作することができれば、ヒトは老化からまぬがれるのです。この技術はまだ完成されていませんが、おそらく、近い将来…15~30年以内…における、最も有効な老化対策になるでしょう。それまで、他の手段に頼らなければいけません。

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