
⑮共役(きょうやく)リノール酸:2000mg~3000mg/日
※英語ではConjugated Linoleic Acid ですので略してCLAとよばれることもあります。
このサプリメントはボディビルダーや痩身を目的とした人たちの間ではけっこう知られていますが、アトピー患者さんや栄養学にうとい医者にはほとんど知られていません。リノール酸からできるのですが、形が異なっているので異性化リノール酸とも呼ばれています。
脂肪のところで詳述したように、リノール酸はアラキドン酸を経由して悪性エイコサノイドを代謝することが多く、しかも現代の食事はリノール酸をとりすぎることが問題であると論じました。
しかし、同じリノール酸という名がついても、この共役リノール酸はリノール酸がアラキドン酸に代謝される反応を抑制し、結果的にアラキドン酸からの炎症性エイコサノイドの産生を低下させることになります。
また、IgGは共役リノール酸を原料としてできてきます。そして、IgGはアレルギー反応の引き金となるIgEの産生を抑制します。
したがって、この効果もアトピー治療には有利に働きます。ひまわりの種子に多く含まれていますが、十分な量を摂取しようとすればサプリメントに頼るほかはありません。肥満防止にも役立ちます。インターネットで購入するのが最も簡単です。
注意:このサプリメントは掌蹠膿疱症の人は避けてください。
⑯ケルセチン:600mg~1200mg/日
このバイオフラボノイドの一種はアレルギー症状寛解に有効です。ルイボスティーというお茶に多く含まれています。スーパーでもみかけるお茶です。
しかし、薬効を感じるほどの量をとるには、濃縮したものがすすめられます。あるいはサプリメントとして、錠剤、カプセルのかたちになってアメリカでは売られていますが、日本ではまだみかけません。
特に花粉症と合併するアトピーには、効果があるようです。タマネギや、タマネギの茶色い皮にもふんだんに含まれています。またケルセチンは水銀と結合して体内に排泄させる作用もありますから、解毒にも通じます。
*しつこい花粉症には、ネットル(西洋イラクサ)のサプリメントも非常に効果があります。しかしこれもケルセチンと同じように、少々の量をとってもなかなか効きません。期定量の4倍、5倍ととると効きます。日本でもネットルのサプリメントは売られていますが、けっこう高価なのでインターネットで個人輸入したほうがいいでしょう。
⑰ストレス対策用サプリメント
精神的ストレスほどアトピーを悪化させるものはありません。
食事内容もしっかり守り、今まで述べてきたサプリメントもとり、あとで述べる解毒も行い、非常に調子よくアトピーが治ってきたのに、受験をひかえたり、恋愛に破れたり、身内に不幸な出来事が起こったりしたときに、急に悪化することはよく経験します。
これはある程度し方のないことなのですが、それを何とかサプリメントで防ぎたいものです。モリンガ、腸溶性ラクトフェリン、ビタミンB群などがすすめられのですが、そのほか代表的サプリメントを2種類書いておきます。
a)カヴァ
南太平洋のカヴァカヴァという植物の根を乾燥させた粉末です。大きな薬局ではどこでも売られています。ゆめゆめ副作用の多い精神安定剤などは使わないことです。
昔ぼくは精神病院でアルバイトをしていたとき、そこにある精神安定剤のたぐいを、いくつか試したことがあります。自分に人体実験したのです。
どれもこれも、あとからかえって変な気分になり、おかしくなりました。まさにかなり精神に異常をきたしている人たちが使うべきものであり、日常生活からくるストレスごときものには使用しないほうが賢明です。
ただし、肝障害がある人や肝臓の弱い人や、酒を毎日飲む人はカヴァは摂らないほうがいいでしょう。また、一ヶ月以上、毎日連続して摂ることもやめてください。
b)セントジョーンズ・ワート(西洋オトギリ草、あるいは、聖ヨハネ草)
ストレスとは多少ニュアンスが異なるのですが、気分の落ち込み、あるいはふさぎ、デプレッションという状態があります。
これも人間から活力を奪い、病気に対する抵抗力を奪います。ストレスと重複していることもしばしばあります。特にひどいアトピーで、将来に何の希望も見えそうにないときに、こういう状態に落ち込みます。
精神的ケアが非常に必要な患者さんです。ケアとなるような指導をしてくれと自ら頼む若い患者さんもいます。しかし下手なカウンセラーにあうと、とんでもない結果になるかもしれません。そこで気分を明るくするセントジョーンズ・ワートです。
どこの薬局でも見つけられます。ふさいだ気分を高めてくれます。しかも、その高めかたが、いわゆる「興奮」という状態でなく、ごく自然にやわらかく何となく全身に力が満ちてくるような高めかたなのです。効果が感じられるまで4週間ほど服用しなければいけません。
副作用はありませんが、セントジョーンズ・ワートには、人体を光に対して敏感にならせることがときとしてありますので、服用後の日光浴などは避けたほうがいいでしょう。
また、このセントジョーンズ・ワートを摂るときには、抗てんかん薬、強心剤(ジゴキシン)、気管支拡張剤(テオフィリン)、血液凝固阻止剤(ワーファリン)、免疫抑制剤(シクロスポリン)、などとの飲み合わせに注意してください。
そういう薬を摂られているときは、必ず医師か薬剤師と相談してから、セントジョーンズ・ワートを使用するかしないか決めてください。
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