ドクター牧瀬のアトピー性皮膚炎完治療法ガイド


⑫善玉腸内細菌

まず、腸は最大の免疫器官だということを認識してください。小腸の内側には小さな毛のような絨毛とよばれる突起が密集していますが、その間隙にパッチワークのようにパエイル板という器官が点在します。

パイエル板はリンパ小節の集合体で、いわば免疫系をコントロールする一つの司令塔のような役割を果たしています。また、小腸の上皮には腸管固有リンパ球が、上皮細胞5~6個につき1個ほど存在し、その数はすべての免疫系細胞の60%にのぼるといわれています。

その他、粘膜固有層の粘膜固有リンパ球、そしてこれらの組織の下に、クリプトパッチと呼ばれる未分化リンパ球が集積する小リンパ組織が最近日本人によって発見されました。

ここでは腸管独特のT細胞がつくられています。したがって、腸の働きを健全にたもつことは、アトピーの改善に非常に役立つのです。

また腸は第二の脳とよばれるくらい、脳と密接に関係があります。長さは日本人の大人の場合6~7メートルもあり、広げるとテニスコート1面分の面積があります。そこに存在する神経細胞の数は1億個で、脳以外に散在する神経細胞の約50%は腸に集まっているのです。

つまり、脳は腸とともに、精神的ストレス、情緒、睡眠などを共同でコントロールしているわけです。

したがって、過度な精神的ストレス、情緒不安定などで悪化するアトピーには腸の働きを整えることは非常に大切なことなのです。

脳と腸の働きをここで詳述できませんが、ぼくが知っている顕著な例では、斜視ですら善玉腸内細菌で腸を整えるだけで完治したことがあるくらいです。

腸内細菌の種類は100以上ありますが、特にアトピーの人に補っていただきたいのは、乳酸桿菌の一つで、宮入菌という酪酸菌です。この菌は芽胞に包まれていますので胃酸に殺されずに腸へ届きます。

また炎症性サイトカインの抑制による抗炎症を有し、かつ、先に述べたビオチンを餌にしません。ビフィズス菌の中にはビオチンを餌にするものもあるようで、ことさらビフィズス菌を摂るようなことはしないほうがいいでしょう。

ビフィズス菌も数多くの種類があり、どれがビオチンを消費し、どれが消費しないのか、そこまで研究が進んでいません。

したがって、安全を期すため、ビフィズス菌をうたっているようなヨーグルトをあえて大量に摂ることはひかえたほうが賢明です。無思慮なヨーグルトの常食は決してよくないのです。

⑧に述べたモリンガと一緒に摂れば、さらにいいでしょう。それとリンゴを日に一個は食べるようにしてください。リンゴに含まれている植物繊維であるリンゴペクチンは腸内環境を整える働きが非常に強いのです。ケーキを食べるなら、リンゴを食べようということです。


⑬消化酵素

どうしても、和食に耐えられない。肉や乳製品を中心とした洋食しか食べられないという人は、特にペプシン、ぺプチターゼ、リパーゼ、トリプシンといったタンパク質や脂肪を消化する酵素を食後補ってください。

タンパク質が未消化にポリペプチドのままで残らず、アミノ酸のレベルになるまで消化されねばなりません。農耕民族のアジア人であるぼくたちには合わない食事をするわけですから、それはそれなりに工夫しなければいけないのです。インターネットで検索すれば、安価な製品がいくらでも見つかります。


⑭ビタミンE:200単位~400単位/日

オメガ-3不飽和脂肪酸の、体内での酸化の可能性を防ぐために、フラックスシード(オイル)やサルバを摂るときに一緒に摂ってほしいのです。

α-、β-、γ-、δ-の4種類のトコフェロールと、 α-、β-、γ-、δ-の4種類のトコトリエノール、計8種類のビタミンEが入った、ミックスタイプのものがすすめられます。

最近、ビタミンEの単独摂取はかえって心血管系の病気のリスクを増すという研究発表が相次いでなされています。この場合のビタミンEはα-トコフェロールのことです。

もし、α-トコフェロールだけをサプリメントで補うと、α-トコフェロールの血中濃度が増し、γ-トコフェロールの濃度が低くなることが知られています。

すると、酸化窒素によって発生するフリーラジカルの、γ-トコフェロールの消去能力が減少することになり、かえって生体には悪い影響がおこる可能性があります。

したがって本当は、食物から自然のままに多くの形のビタミンEを同時に摂取するのが最も理想的なのです。

しかし、それが実生活で、できないからサプリメントでとりなさいということになるわけですが、α-トコフェロールだけの単独摂取は好ましくなく、ミックスタイプのビタミンEのサプリメントを摂取するのがいいのです。

最近、ようやくミックスタイプも日本で入手できるようになりました。ラベルに注意して、α-トコフェロールだけのビタミンEのサプリメントは避けてください。

できればセレンといっしょに摂ることがのぞまれます。オメガ-3不飽和脂肪酸+ビタミンE+セレン(+α-リポ酸)は、炎症に関係するあらゆる病気の最高の処方なのです。

←9-5.重要なサプリメント⑨~⑪9-7.重要なサプリメント⑮~⑰→