ドクター牧瀬のアトピー性皮膚炎完治療法ガイド


⑤ビタミンB12:1000μg/日

このビタミンは赤い色をしています。中心にコバルトをもつ錯体で、かなり分子量の大きいビタミンです。

もともと、悪性貧血に、動物のキモ(肝臓)を食べると効果があるということで研究されているうちに発見されたものです。アトピー治療での役割は、特に一酸化窒素(NO)の非常に有効な消去作用です。

一酸化窒素はフリーラジカルの一種で、もし過剰に存在すると皮膚を初め、多くの器官に障害を与えます。また、炎症性メディエーターとして、アトピーの本態である炎症も悪化させます。

スーパーオキシド、ヒドロオキシラジカル、過酸化水素、一重項酸素など、いわゆる活性酸素を消去するとうたうサプリメントは数多くでていますが、それだけでは十分ではないのです。過剰な一酸化窒素も除去しなければならないのです。

最初の方で書いたように、ぼくのクリニックでは軟膏にも混ぜて使っています。さらに経口的にも摂取するべきなのです。

ただ、厚生労働省が定めている栄養所要量である日に2.4マイクログラムという量は、アトピー治療には絶望的に少ない量なのです。その500倍近くの1000マイクログラムは摂取しなければ効果は期待できません。

そこで、それだけの量を摂って副作用はないかという質問がよくあるのですが、まったくありませんと断言できます。

アメリカのスーパーマーケットで、医師の処方箋なしに簡単に購入できるビタミンB12のサプリメント1錠には1000マイクログラムが入っているものもあります。

また、医師など専門家からは、ビタミンB12の過剰摂取は、巨赤芽球性貧血の診断を誤らせるという反対意見をきくことがあります。

しかし、この巨赤芽球性貧血なる病気は極めてまれなもので、ぼくは医師になってから25年間、まだ1度もお目にかかったことがありません。医学生のときの大学病院でもみなかったほどまれな病気です。

これほどまれな病気の診断を誤らせるという理由から、最近では小学生の2割ほどはかかるというアトピーの治療に、ビタミンB12の大量摂取を行わないというのは、これ以上愚かなことはないでしょう。


⑥その他のビタミンB

今、述べたビタミンB12は、他のビタミンB群と同時に摂ったほうがさらに効果があります。そして、B1、B5、B2、B6にもアトピー治療において、各々、特別な働きがあります。


ビタミンB1:50mg/日、ビタミンB5(パントテン酸):50mg/日

この二つのビタミンBはビタミンCとともに副腎皮質の働きを活発にしてくれます。ごぞんじのように、副腎皮質でコルチゾール(いわゆる一般的にステロイドホルモンといわれているものの一種)が産生されます。

このホルモンはアレルギーに著効を示すことはみなさんよく知っておられるはずです。アトピー症状が急激に悪化したようなとき、止むを得ずプレドニンなどのステロイド剤を服用することがあります。

しかし、外から補うより、自分の副腎でできたステロイドホルモンのほうがずっと安全です。その産生と分泌をこの二つのビタミンBは促してくれるわけで、是非、補ってほしいものです。ビタミンCといっしょにとれば相乗効果が期待できます。

またB5は、クエン酸回路やβ酸化といった人体で最も大切な代謝反応に必要な補酵素の重要な成分で、十分に補っておかねばなりません。また体内の有害物質の解毒に非常に効果があります。

あとで解毒の重要性については詳述しますので、そこも読んでください。それと、アトピーによく併発するヘルペスに対して亜鉛と同様に効果的です。


ビタミンB2:50mg/日、ビタミンB6:50mg/日

この二つはアトピー患者さんによく見られる顔の赤みをとってくれます。特に思春期の患者さんは顔に赤みがでると、それを深刻に悩むことがあります。

第三者からみるとほとんど気にしなくてもいいような赤みでも、ご本人にとってはつらいようです。

本当はB2とB6を注射すればもっと効果があるのですが、毎日、病院に通うわけにはいかず、入院以外無理です。そういうときは、内服でもいいですから、大量に摂ってください。水溶性ですから、過剰症の心配はいりません。

もっとも、必ず効果があるというわけでなく、人によってはまったく赤みが取れないこともありますが、三ヶ月は試みてください。

B6は「5.乾燥肌」についてのところで述べたセラミドの生成にマンガンと共に必須です。また、システインという、シミを取り除き、美白効果があるアミノ酸の生成にも必要なのです。(*ただし、授乳中の女性や、もうすぐ母親になる女性は、ビタミンB6は日に25mg以上摂ってはいけません。B6は乳汁分泌ホルモンであるプロラクチンの分泌を抑制しますから)

*顔の赤味にはシステインも効果的なことがあります。日に1000~2000mgを試してみて下さい。

ビタミンB2はリボフラビンとも呼ばれ、甲状腺にも大切なビタミンで、不足すると皮膚炎や舌炎をおこします。B2やB1は特に豚肉やモツに多く含まれていますが、アトピーの人はそういった肉類をひかえるべきなので、こういったB群が不足することがあります。

そのため、積極的にビタミンB群をサプリメントから補うことがすすめられます。

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