
A)白色ワセリンを使って
まず、ステロイドの入っていない白色ワセリンを用意してください。薬局やインターネットで簡単に購入できます。それをあなたが今使っているステロイド軟膏にまぜて、徐々に濃度を落としていき、最終的には白色ワセリンだけにするのです。
たとえばあなたがリンデロンV(主成分は吉草酸ベタメタゾンというステロイド)を使っておられたら、最初は、10×リンデロンVから初めて、徐々に7×リンデロンV+3×白色ワセリン、5×リンデロンV+5×白色ワセリンと、白色ワセリンの割合を増やし、さらに2×リンデロンV+8×白色ワセリン、そして最後は白色ワセリンだけというふうにもっていかれたらいいのです。
小児~小学校低学年の場合、朝、昼(あるいは学校から帰宅後)、就寝前と3回に分けてお風呂に入ることが可能で、そのつど、軟膏を塗ることになります。ですから、もっときめ細かく、慎重にステロイドの量を減らしていくことができます。
治りがはやいばあいは、7日間隔ではなく、4~5日間隔で減らしていってもいいでしょう。乳幼児の場合は、もっと間隔を短くして、3~4日間隔でもいい場合があります。
もっとも、各自の症状に合わせて、早くなったり遅くなったり、あるいは途中で風邪などを引き、そのストレスのため逆戻りしなければいけないこともあります。
またリンデロンVは、ステロイド外用剤の五つのランクのうち、ストロングに属するものですから、中等症ほどのアトピーに適応されます。
したがって、重症の場合は、デルモベートあたりから始めなければ効果はありません(しかし、乳幼児の場合は、症状がひどくても、ストロンゲストから始めなければいけない例はほとんどありません)。
そして症状が良くなるにつれて、軟膏自体をストロンゲスト → ベリーストロング → ストロングと下げていき、ストロングほどになったときに、白色ワセリンで薄めていってもいいのです。
あるいは、軟膏自体を、ミディアムの軟膏、さらにウィークの軟膏とランクダウンさせていく方法もあります。
そして、最終的には白色ワセリンさえ使わずにすませるようにもっていってください。つまり、白色ワセリンの単独使用も、えんえんと続けていては当然皮膚によくありません。
「しかし、以上のようなことは何度も試みたわ。でも、やっぱりうまくいかないのよ、この先生、現実を知らなすぎるヮ、フン!こんな絵に描いた餅みたいなもの」という反撥の声が聞こえてくるようです。
しかし、ちょっと、待った!です。
現実は知らなすぎるどころか、のべ4万人以上の患者さんを診療し、東にアトピー治療で有名な病院があれば見学に行き、西にアトピー治療の名医がいれば教えを乞い、南にアトピーを治すという水があれば疑いながら行って試しにボトル数本に汲んでもって帰り、北に良いハーブがあると聞けば飛んで行き、おかげさまでJALのマイレージがバカほどたまり、今ではファーストクラスでブラジルまで3回ただ往復できるくらいなんですゾ。
そして、日夜、インターネットを駆使し、世界中のビタミン、ミネラル、サプリメント情報を収集し、それらを実際に患者さんたちに試してもらい、結果をだしてもらっているわけです。
今からぼくが説明することと同時にこのようにしてステロイドを減らしていけば、必ずあなたは完治するか、少なくとも<9割>は改善します。あなたが、この表のようにステロイドを漸減してもうまくいかなかったのは、同時になすべきことをしなかったからであり、その同時になすことをすれば必ず良くなります。その同時になすことをここから説明していきます。
B)Dr.牧瀬サプリメントクリニックで使っている軟膏
1)MA軟膏
ぼくのクリニックでは以上の脱ステロイドの過程をもっと効率よく、かつ安全にするため、普通の白色ワセリンから不純物をほぼ完全に取り除いたサンホワイトP-1というたいへん純度の高いワセリンに、α-リポ酸、ビタミンB1、B2、B12などを混ぜてつくった独自のMA(0)という軟膏を使っています。
白色ワセリンの代わりに、このMA(0)という軟膏を使うと、脱ステロイドがすみやかに行われます(ちなみにMAとは、ぼくの苗字のMakiseのMAです。MadのMAではありません。悪しからず!)。
脱ステロイドを可能なかぎりはやく安全にできないかと、いろいろと工夫して軟膏を研究していたのですが、特にα-リポ酸とビタミンB12を加えるといい結果がでるのです。α-リポ酸は水溶性でありかつ脂溶性であるというたいへん重宝な抗酸化剤です。
またビタミンB12を使った軟膏がイギリスでアトピーにステロイド軟膏と同様に効果があるという研究が発表されたので、それをヒントにしたのです。
たとえば、白色ワセリンの代わりにMA(0)を使って、7×リンデロンV+3×MA(0)→5×リンデロンV+5×MA(0)→3×リンデロンV+7×MA(0)→10×MA(0)というふうにするのです。
単なる白色ワセリンをつかった場合よりα-リポ酸やビタミンB12のおかげで、ずっとスムーズにステロイドのランクダウンが可能です。ぜひ、試してください。
サンホワイトP-1は普通の白色ワセリンをさらに精製したたいへん純度の高いワセリンで、プロペトという精製ワセリンよりも高純度で低刺激性です。したがって、MA(0)は、化学物質に非常に敏感になっている肌や、顔面、赤ちゃんの肌、白色ワセリンにさえかぶれる肌、化粧まけしやすい肌などにも適しています。
また、MA軟膏には、ステロイドの入っていないMA(0)だけでなく、リンデロンVGと MA(0)を混ぜてつくったMA(1)、MA(2)、MA(3)、MA(4)という軟膏もあります。患者さんご自身に、わざわざステロイド軟膏を薄めていく作業の手間をとらさないためです。番号が大きくなるほどリンデロンVGが少なく入っています。
よく、このMAのシリーズをインターネットで注文される方がおられますが、一度でもぼくのクリニックに来られて、診療を受けられたことがあれば、お送りすることはできます。
しかし、もし一度も来院されていない場合は、ステロイドの入っていないMA(0)しか送ることができません。ステロイドの入っているMA(1)~MA(4)は、薬事法の関係から診療なしでは送ることができないのです。
したがって、遠方にお住まいで、どうしても大阪まで来られないという患者さんには、MA(0)を送り、ご自分の手のひらで他のステロイド軟膏と混ぜて使ってもらうようにしています。症状がごく軽いばあいは、MA(0)だけでも十分なときがあります。
2)AOA(0)、Va(0)
主成分は大豆、ハトムギ、糠、小麦、柚子、抹茶を混ぜ、遠赤外線焙煎をほどこし、こうじを加えて発酵させ、胡麻の油で油剤化したものを数ヶ月樽にねかせ、そのうわずみを乾燥させたものです。
その粉末を親水ワセリンに混ぜたものです。これもMA(0)と同様に、脱ステロイドのために、ステロイド軟膏と混ぜて使うと、いい結果がでます。
非常にひどい大豆アレルギーのある人は、AOA(0)でかえってかゆみがます場合があります。200~300人に1人、そういう患者さんがおられます。
また、AOA(0)は、ほんの少しざらざらしているので、それがいやだという患者さんもときどきおられます。
そのときは、Va(0)という、これも成分はAOA(0)と成分はほぼ同じで、かつステロイドは当然入っておらず、かつ、ざらざらしていない軟膏を使っていただくようにしています。
しかし、これらAOA(0)やVA(0)は徐々に、つくる量を減らしていく方針なのです。なぜなら、基材が親水ワセリンなので、MA(0)の基材のサンホワイトP-1よりものびが悪いことと、非常に敏感な肌にはMA(0)の方がずっと無難だからです。
3)再発予防軟膏
成分は数種類の植物油、ビタミンB群を親水軟膏に混ぜたものです。べとつき感がなく、続けやすく、患者さんにたいへん喜ばれています。
この軟膏は、症状が非常に軽減して、MA(0)だけでも十分にコントロールできる段階にまで改善されたものの、急にそういった軟膏を止めるには、まだ再発の危険性が残っているような時に使用します。
4)貴宮(きく)ビタ軟膏
これは白色ワセリンにフラックス・シード・オイル(亜麻仁油)、ビタミンB群、抗ヒスタミンクリームを混ぜた軟膏で、特にかゆみがしつこく残っている患者さんに使っていただいています。
5)モクタール軟膏
それと特筆すべきことは、ゾウやサイの皮膚のように固くごわごわとなってしまった、いわゆる苔癬化という状態にも著効をしめす方法があります。
まずストロンゲスト(最強)のランクに属するデルモベートかジフラールといった軟膏4に対し、MA(0)を1ほど混ぜ、それを病変部に塗布します。
その上に、亜鉛華軟膏に、赤松や黒松から採ったタールを混ぜてつくったモクタール軟膏という軟膏を重ね塗りします。そして、包帯でまいておくのです(最低1日1回は取り替えて下さい)。
免疫抑制剤サイクロスポリンまで服用しても治らなかった苔癬化した皮膚が、2、3週間でものの見事にきれいになってしまいます。是非、試されたらよいでしょう。
*)乾癬用軟膏
乾癬はアトピーとはまったく違った皮膚病です。現代医学では難しいといわれていますが、上手に治療すれば、意外と簡単に治るのです。
主成分はMA軟膏とほぼ同じですが、さらに遠赤外線を出す乾癬用のミネラル・パウダーと生薬を付け足しました。最初の段階ではステロイドを入れます。症状に応じてステロイドの量を調節しますので、一人一人のオーダーメードになります。
そして、当然、最後にはステロイドなしの軟膏にもっていきます。それとビタミンやサプリメントの正しい使用で乾癬は非常に改善します。この乾癬については、別のところで、詳述します。
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