ドクター牧瀬のアトピー性皮膚炎完治療法ガイド

アトピーは正確にはアトピー性皮膚炎です。つまり、炎が燃えている火事なのです。

燃え盛っている火事に、ひしゃくに水を取り、そのくらいの水をかけたとしても何の役にも立ちません。バケツでもとても無理です。

そこは、ホースで大量の水をいっきにかけて、炎を小さくしなければいけません。そして、炎の勢いがかなりおさまった時点で、バケツで水をやり、最後はひしゃくくらいの水で消していけばいいのです。

アトピーもこれと同じことで、炎症の激しいとき、つまりかゆみ、赤みが強いときは、まず強いステロイド軟膏を使い、いっきに炎症を抑え、それから徐々に軽いステロイド軟膏へと切り替えていくのが、正しい塗り方なのです。

短期決戦でいくのです。ステロイド軟膏の副作用(これは先に述べましたように、短期間では事実上ほとんどありえないのですが)を恐れるあまり、びくびくと弱いステロイド軟膏から始めても、少しも効果はありません。

かゆみのためひっかいていると、健全な皮膚はいつまでたっても再生されません。新しい皮膚を再生し、定着させるには、かきむしる期間をできるだけ短くする必要があるのです。

そして、十分な睡眠をとり、健康な新しい皮膚の再生を促すのです。そして、その間に、アトピーの原因を解決すれば、それが根治治療につながるのです。

ここで、ステロイド外用剤のランクを日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療ガイド2004改訂版から引用したもの(ステロイドの化学名は省略)を付記しておきますから、参考にして下さい。

今、あなたが病院からもらっている軟膏がどのランクに属するか知っておくべきです。 図のように、ステロイド外用薬は使われているステロイドの種類によって、ストロンゲスト(最強)>ベリーストロング(非常に強)>ストロング(強)>メディアム(中間)>ウィーク(弱)と5段階にわかれます。

そして、「皮疹の重症度と外用薬の選択」というのもガイドラインに載っています。---- 詳しくは「日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2004改訂版」とインターネットで検索してください。

----「ストロンゲスト」は硬いイボのような芯がある湿疹に、中くらいの紅斑や少数の丘疹には「ストロング」か「ミディアム」クラス、「ウィーク」は顔の赤み程度のところと使いわけます。

ステロイド外用剤のランク
ストロンゲスト:デルモベート、ジフラール、ダイアコート
ベリーストロング:フルメタ、アンテベート、トプシム、リンデロン、マイザー、ブソン、ビスダーム、テクスメテン、ネリゾナ、パンデル
ストロング:エクラー、メサデルム、ボアラ、ザルックス、アドコリチン、ベトネベート、フルコート、リンデロンV、プロパデルム
ベリーストロング:フルメタ、アンテベート、トプシム、リンデロン、マイザー、ブソン、ビスダーム、テクスメテン、ネリゾナ、パンデル
メディアム:リドメックス、レダコート、ケナコルトA、ロコルテン、アルメタ、キンダベート、ロコイド、デカダーム
ウィーク:プレドニゾロン、コルテス

今、あなたはどのランクのステロイド軟膏をどの程度の症状に使っているでしょうか。チェックしてください。こわごわ使っていないでしょうか。基本は、かゆみが取れ、安眠できるほどの強さの軟膏を使っているかです。

具体的には、上半身、腹側も背中側もかなり広範囲に湿疹ができているような場合、5グラムのステロイド軟膏のチューブでは、一回で1~2本ほど使う程度に、塗るということです。

また、 肘の内側のステロイド軟膏の吸収率を1とすると、背中は1.5~2、首は5~6、顔は8~12、陰部は40ほど、手のひらは0.8ほど、足の裏は0.15ほどで、部位によって違ってきます。そこのところ注意しながら、ステロイド軟膏のランクに強弱、回数に気を配って塗らなければいけません。

そして、塗ってもかゆくて眠られないのであれば、それはその軟膏の強さや塗る回数が不十分であるということです。また、そのような場合、ためらわず抗ヒスタミン剤などを就寝前に服用してください。

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